法律事務所と顧問契約をする場合、その法律事務所が遠方にあっても、実際には支障はありません。グリーンリーフ法律事務所の経験をもとに、この点について述べてみました。

1 ご相談の方法

 当事務所の場合、顧問会社様から毎日多くのご相談、また契約書チェックのご依頼が寄せられます。

 ところで、ご相談の方法について、数年前に一度数えてみたところ、電子メール60%、電話30%、オンラン5%、ご来所によるもの5%の割合でした。その後、電子メール、オンラインのご相談がさらに増えているように思います。

2 それぞれの方法のメリット、デメリット

 電子メール、電話がよいのは、すぐに回答が得られることです(当事務所の場合、電子メールによるご相談でも、90%以上は翌日いっぱいに回答しています)。また、電子メールについて言えば、回答が文書で残るので、整理させた回答が得られますし、また、弁護士の回答を他の部署に転送することもできます。

 他方、オンライン、ご来所によるご相談は、オンライン、ご来所の日程を打ち合わせなければならないので、ご相談の日程が何日か後、あるいは1週間後になってしまうことがありますが、トラブル含みなど、複雑なご相談の場合は、オンライン、ご来所の相談が適しています。

 また、オンラインとご来所を比べると、オンラインの場合、法律事務所に来る必要がないので、大きな時間の節約になります。ただ、資料が非常に多いというような例外的な場合は、ご来所いただいてのご相談が適している場合もありますし、直接会うと、人間的な親しみが増すこともあります。

 表にすると下記のようなことかと思います。太字は私が大事と思っている部分です。

  早い 文書で残る トラブル含み 事務所に行く必要がない 人間的な親しみ
電子メール(60%) ×
電話(30%) ×
オンライン(5%) ×
ご来所(5%) × ×  

3 顧問契約をする法律事務所は遠方にあっても支障はない

 このように、当事務所で行うご相談(顧問会社様にいって行うご相談も含む)は全体の5%程度で、直接お会いする必要がない電子メール、電話、オンラインによるご相談が、上記の表の太枠で囲んだ部分にあるように全体の95%を占めています。

 ここから言えることは、顧問会社様が相談する法律事務所は、顧問会社様の近くにある必要はなく、例えば、顧問会社様は青森県にあるが、顧問契約をしている法律事務所は埼玉県にあるという場合でも、十分にご相談は可能であるということです。

 また、契約書チェックの場合でも、ほとんどの場合、チェックの対象となる契約書を顧問会社様から添付メールで送ってもらい、それにコメントや訂正後の条文を書き込み、その後、添付メールで返信するということになるので、顧問会社様と法律事務所の距離は問題ではありません。契約書の作成も、ポイントを電子メール、オンラインなどで聞き取り、原案を作成後、電子メールでやり取りをして完成させるので距離が遠くても十分に可能です。

 覚書・合意書の場合、契約書に比べて内容は千差万別なところはありますが、同じく、覚書・合意書を添付メールで送ってもらい、内容に不明な点があるときは、電話、オンラインで内容を聞きとればよいので、覚書・合意書をチェックすることも何ら問題はありません。

 当事務所の場合、下記のとおり、顧問会社様は埼玉県だけではなく他県にも及んでいますが、支障を感じたことはありません。

 企業で問題になる法律には、取適法、労働法、個人情報保護法、セクハラパワハラ、特許権、商標権、著借権、不正競争防止法、ネット上の誹謗中傷、会社法、消費者関連法はもとより、労働安全衛生法、薬機法、景品表示法、その他、国による様々な規制法も問題になります。また、契約書チェックも非常に重要です。

 これらは、相続、離婚、交通事故などを対象とする個人分野とはまったく異なっています。お近くに企業法務を得意とする法律事務所がない場合は、遠方であっても、企業法務を得意とする法律事務所を選んだ方がよいと思います。

 ちなみに、最近は、訴訟、調停もオンラインで行い、裁判所に行くのは証人尋問の時だけということが多いので、これについても、ほとんど問題はないと言ってよいと思います。

 ※ 以上のことは顧問会社様の場合であり、個人の事件(相続、交通事故、離婚など)については、個人のご依頼者の方が法律事務所にきて、ご相談、打合せなどを行うことが多いと思います。

4 最後に

 昔読んだ「起死回生」という本(トム・ピーターズという経営コンサルタントが書いた本)に「距離は死んだ」という言葉がありました。この本は1998年の本で、その後、10年以上たっても、少なとも私の周りでは距離が大きな意味を持っており、なかなか距離は死なないと思っていましが、ここ10年くらいで、法曹会(弁護士・裁判官・検察官の業界)でもようやく「距離は死んだ」と言えるようになってきましたし、訴訟も、ここ2〜3年で距離は関係なくなってきました。これを予測していたトム・ピーターズは偉いと思います。

ご相談
グリーンリーフ法律事務所は、設立以来35年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。 企業が直面する様々な法律問題については、各分野を専門に担当する弁護士が対応し、契約書の添削も特定の弁護士が行います。企業法務を得意とする法律事務所をお探しの場合、ぜひ、当事務所との顧問契約をご検討ください。

■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
代表・弁護士 森田 茂夫

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