2023/11/07

 以前、当コラムで2024年問題について言及しました。

最も影響を受けるとされている物流については非常に多数の報道がなされており、中継方式の導入、複数連結のトラックの導入、自動運転、鉄道貨物や船舶へのシフト(モーダルシフト)などの動きがみられます。

 これらは主に、いわゆる荷物輸送に着目していますが、今回は、旅客輸送に着目してみたいと思います。

このところ、地方を中心に、運転手不足を理由とするバスの減便・運休・廃止が報道されています。

更に、路線バスだけでなく、高速バスやスクールバス、都市近郊路線でも減便・運休などが伝えられるに至っており、バスの運転手不足は、地方路線バスだけでなく安定した収益があると見込まれる路線や、都市部でも、すでに問題になっています。

また、地方私鉄を中心に、退職などを要因とする運転手不足を理由に、本数の減便や運休、臨時列車化などが伝えられるに至っており、旅客鉄道での運転手不足が顕在化してきています。

旅客輸送機関の減便・運休・廃止は、移動の権利や移動の自由という側面でも問題ですが、企業経営の観点では、やはり、収益機会の減少ということから売り上げ減につながる点が指摘できると思います。

本来であれば、バス・列車を走らせることで売上を得られるにもかかわらず、減便・運休・廃止によって、売上の機会を喪失しています(もちろん、コストとの比較、利益も重要ですが)。また、長期的に見ると、バス・列車の本数減や運休・廃止は利便性を低下させ、次回も乗ろうという気持ちを減衰させると考えられるため、輸送機関としての選択肢から外れてしまいかねないことになります。

こうしたことを避けるためか、都市近郊や大手鉄道会社を中心に、自動運転の研究や省力化(ワンマン運転、窓口廃止など)が進められている印象ですが、過度な省力化(多くの駅での窓口の廃止など)は、フォロー策を準備しておかなければ顧客対応の観点での利便性を低下させますので、さらなる収益機会の喪失にもなりかねません。この辺りは、トライアンドエラーなのかもしれません。

今後、人口が減少しそもそも運転手不足にも拍車がかかる中で、2024年が到来することになりますので、各企業、手探りであっても対応策を検討していくことが必要になるものと考えます。

■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 野田 泰彦

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