会社は誰のものでしょうか。従業員?役員?お客様?…いえ、語弊を恐れずに言えば、株主のものです。このページでは、埼玉県で30年以上、企業法務を扱ってきた法律事務所の弁護士が、会社法の定める株主の権利についてポイントを絞って分かりやすく解説します。

はじめに

会社経営者の方は必読です。もちろん会社の株主の方にもお読みいただければと思います。
このページでは、埼玉県で30年以上、企業法務を扱ってきた法律事務所の弁護士が、会社法の定める株主の権利について、ポイントを絞って分かりやすく解説します。

株主とはどのような人を指すのでしょうか?

株主とは、特定の会社の株式を有する者を言います。
株式を有するということは、会社に対して出資をしたことを意味します。
株主であれば、会社から分配を受けたり、会社経営について重要な決定をしたりすることが可能です。
つまり、株主こそ、会社の実質的な所有者といっても過言ではありません。
これから、そんな株主の権利について、解説して参ります。

株主には、どのような権利が認められているのでしょうか?

株主の権利とは

株主の権利は、大きく分けて、①自ら会社からの直接的な利益を受け取る権利(「自益権」といいます)と、②会社経営に参加する権利(「共益権」といいます)とに分かれます。

いずれも営利目的、すなわち、会社が存在する意義は利益を追及することにあり、株主はその利益を分配として受け取ることができるという投資の観点からの重要な目的に関係しております。

自益権

自益権とは、株主が会社から直接に経済的な利益を受ける権利をいいます。

具体的な権利の内容は、以下のとおりです。
・株主の会社に対する剰余金配当請求権(会社法453条)
・株主の会社に対する残余財産分配請求権(会社法504条)
・株主の会社に対する株式買取請求権(会社法116条、469条、785条、797条、806条)
・株主名簿の名義書換請求権・株券発行請求権(会社法130条、133条、215条、230条)
・募集株式の割当を受ける権利(会社法202条)

共益権

共益権とは、株主が会社経営を決定し、取締役等の役員の行為を監督する権利をいいます。

具体的な権利の内容は、以下のとおりです。

・株主総会における議決権(会社法308条1項、325条)
・株主総会における役員に対する説明請求権(会社法314条、325条、491条)
・株主総会における議題提案権(会社法303条ないし305条、325条、491条)
・累積投票請求権(会社法342条)
・株主総会招集権(会社法297条、325条、491条)

ここからは、訴訟等で争うことが認められた権利を説明します。
・株主総会決議の取消訴訟(会社法831条)
・株式発行、自己株式処分、新株予約権発行の無効確認訴訟(会社法828条)
・設立、資本金減少、組織変更、合併や吸収分割や新設分割や株式交換や株式移転などの無効確認訴訟(会社法828条)
・株主代表訴訟(会社法847条)
・違法行為に対する差止請求訴訟(会社法360条、491条)
・特別清算等申立権(会社法511条)

ここからは、役員や会社経営に対する権利です。
・役員の解任請求権(会社法854条)
・会計帳簿の閲覧権(会社法433条)
・取締役会の招集請求権(会社法367条)
・取締役会議事録等の閲覧請求権(会社法31条、125条、318条、371条、442条、782条、794条、803条、815条)
・検査役の選任請求権(会社法306条、358条)
・解散請求権(会社法833条)

以上に見てきたとおり、共益権の行使は、例えば、株主間で支配権争いがある場合や株主と役員との間で関係が悪化した場合、株主買取に関する紛争が起こっている場合などにおいて、株主により主張される可能性がある権利です。

特に、実務上は、自益権にある「株主の会社に対する株式買取請求権」を行使する際に、株式の価格を評価したり、会社経営に対する批評をするために、共益権にある「会計帳簿の閲覧権」や「取締役会議事録等の閲覧請求権」が行使される場合があります。つい争いになっていると、断りたくなるところですが、株主の法律上の権利ですから、無暗に断らないように注意が必要でしょう。

株主の義務についてはどうでしょうか?

最後に、「権利」と裏腹の「義務」についても触れておきましょう。

株主であるということは、出資をしているということになります。そのため、株主には出資義務が課されているといえます。しかしながら、無限に出資しなければならないわけではなく、引き受けた株式の引受価額を限度とすることになりますので、想定した金額以上に出資を迫られることはありません。

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■この記事を書いた弁護士
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 時田 剛志
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