
建設や製造の現場で欠かせない「丸鋸盤」や「帯鋸盤」ですが、一瞬の不注意で指を切断してしまうような重大事故が後を絶ちません。こうした事故の多くは、安全カバーの無効化や教育不足といった、会社の安全管理体制の不備(人災)が原因です。被災された場合、労災保険から治療費などは給付されますが、精神的苦痛に対する「慰謝料」は一切支給されません。指の欠損など、将来にわたる苦痛に対する正当な補償を得るためには、会社に対して直接、損害賠償請求を行う必要があります。当事務所では、会社の法的責任を追及し、裁判所基準での適正な賠償獲得をサポートしています。泣き寝入りせず、まずはお気軽にご相談ください。
はじめに

建設業や木材・家具製造業において欠かせない「木材加工用機械」。
中でも、高速で回転する刃で木材を切断する「丸鋸盤(まるのこばん)」や「帯鋸盤(おびのこばん)」は、多くの現場で活躍していますが、その切れ味の鋭さは、一瞬の不注意や操作ミスで指や腕を切断してしまう重大な労働災害リスクと隣り合わせです。
木材加工用機械による労働災害は、いわゆる「指詰め」などの重篤な後遺障害を残すケースが多く、被災後の生活や仕事に多大な影響を及ぼします。
本記事では、木材加工用機械による労働災害の特徴、会社が果たすべき法的責任、そして被災された方が正当な補償を受けるための道筋について、労働災害に強い弁護士が解説します。
木材加工用機械(丸鋸盤・帯鋸盤)とは?

「木材加工用機械」とは、動力を用いて木材を切削・切断・研磨する機械の総称です。
代表的なものに、円盤状の鋸歯を高速回転させて切断する「丸鋸盤(携帯用丸のこを含む)」や、帯状の鋸歯を回転させる「帯鋸盤」があります。
これらは非常に危険性が高いため、労働安全衛生法により、刃の接触予防装置(安全カバー)の設置や、反発予防装置(割刃など)の設置が厳しく義務付けられています。
また、これらの機械を用いて作業を行う労働者には「特別教育」の受講が必要とされています。
木材加工用機械で多発する事故類型

木材加工用機械の事故は、刃(鋸歯)への接触が最も多く、次いで材料の反発(キックバック)によるものが目立ちます。
刃への接触(切断・裂傷)
加工中に手が滑ったり、バランスを崩したりして、回転中の刃に指や手が触れてしまう。特に、小さな木材を手で送っている際や、切り屑を取り除こうとした際に発生しやすい。
キックバック(材料の反発)
切断中の木材が刃に挟まり、その反動で木材が作業者に向かって激しく飛んでくる。この衝撃で打撲や骨折を負ったり、驚いた拍子に刃に触れてしまったりする。
巻き込まれ
作業着の袖口や軍手が回転する刃やベルトに巻き込まれ、腕ごと引きずり込まれる。
飛来・落下
破損した鋸刃の破片や、加工片が目や体に飛んでくる。
木材加工用機械で発生する労働災害の現状

製造業等の現場において、はさまれ・巻き込まれ災害の多くを占めるのがこの木材加工用機械です。
特に「携帯用丸のこ」による事故は建設現場で頻発しており、安全カバーを無効化(固定)して使用していたり、不安定な台の上で作業していたりといった不安全行動・不安全状態が原因となるケースが後を絶ちません。
これらの事故の背景には、以下の様な会社の安全管理体制の不備が存在することが多いのです。
「接触予防装置(安全カバー)が破損したまま、あるいは取り外して使用させていた」
「反発予防装置(割刃)が適切に設置されていなかった」
「送給用具(プッシュスティック)を使用させていなかった」
「特別教育を実施していなかった」
ケガが起こるケース

実際に、木材加工用機械の事故でどのような怪我が生じているのでしょうか。
丸鋸盤による指切断
板材の切断作業中、材料を送っていた手が滑り、回転刃に接触。右手の指3本を切断し、接合手術を行ったものの機能全廃の後遺障害が残った。
キックバックによる腹部直撃
丸鋸盤で縦挽き作業中、木材が刃に挟まって反発し、作業者の腹部を直撃。内臓損傷による重傷を負った。
携帯用丸のこによる大腿部裂傷
しゃがんで角材を切断中、キックバックが発生し、跳ね上がった丸のこが作業者の太もも(大腿部)に接触。深さ数センチに及ぶ深い裂傷を負った。
労働安全衛生法・民法715条と使用者責任

木材加工用機械の事故においても、会社(使用者)には重い法的責任が生じます。
安全配慮義務違反(労働安全衛生法・労働安全衛生規則)
事業者は、丸鋸盤等に「歯の接触予防装置(安全カバー)」や「割刃(わりば)」等の安全装置を設置し、有効に機能させる義務があります。
また、作業者に対して「特別教育」を実施し、プッシュスティック等の補助具を使用させる義務も負っています。
もし、安全カバーを固定して無効化していたり、適切な安全教育を行っていなかったりした場合、会社は明白な「安全配慮義務違反」となります。
使用者責任(民法715条)
現場監督や他の作業員の不注意によって事故が起きた場合でも、会社はその者を雇用している責任(使用者責任)として、被害者に対して損害賠償責任を負います。
労災保険給付と合わせて会社への損害賠償を請求する方法

事故に遭われた場合、まずは「労災保険」の申請を行います。 しかし、労災保険だけでは被害の全てを償うことはできません。
「慰謝料」は労災保険の対象外です。
特に指の切断などの重大な後遺障害が残った場合、精神的苦痛は計り知れません。会社の安全管理に問題があった場合、被災労働者は労災保険の給付に加え、会社に対して慰謝料等の損害賠償請求を行う権利があります。
労災保険で受け取れる給付の種類

療養(補償)給付
診察、手術、入院、義指の作成費用などの治療費全般。
休業(補償)給付
仕事を休んだ期間の給与補償(給与の約8割)。
障害(補償)給付
治療を尽くしても治らない後遺障害(指の欠損や機能障害など)が残った場合、等級に応じた年金または一時金。
遺族(補償)給付
万が一死亡された場合、遺族に対する年金または一時金。
会社への損害賠償請求で受け取れる損害の種類

労災保険ではカバーされない以下の損害を会社に請求します。
慰謝料(入通院・後遺障害・死亡)
指を失った喪失感、痛みの苦痛、将来への不安などに対する精神的損害賠償。なお、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料とは別立てで両方とも請求可能です。
休業損害の不足分
労災保険(約8割)では賄えない残りの給与。ただし、労災保険の8割には、2割の特別給付が含まれます。これは損害賠償とは別枠で受け取れることができます。したがって、会社に対し、残り4割を請求することができます。また、場合により、労災の計算以上の方法が認められることもあります。詳しくは、ご相談いただけましたらご説明します。
逸失利益
後遺障害により労働能力が低下し、将来得られるはずだったのに失われてしまった収入。
弁護士に依頼するメリット

労働災害、特に会社に過失があるケースでは、会社側が「教えた通りにやらなかった本人の責任だ」と主張してくることが多々あります。弁護士にご依頼いただくメリットは多大です。
会社の責任逃れを許さない
安全カバーの設置状況や、特別教育の実施記録、作業手順書の有無などを徹底的に調査し、会社の過失を立証します。
適正な賠償額の算定
保険会社や会社が提示する金額は、裁判所の基準より大幅に低いケースがほとんどです。弁護士は、過去の判例に基づいた最も高い基準(裁判所基準)で交渉します。
後遺障害等級認定の適正化
指の欠損や機能障害は、切断された位置や可動域によって等級が細かく分かれます。適切な等級が認定されるよう、専門的なアドバイスを行います。
当事務所のサポート内容

当事務所は、建設業・製造業における労働災害問題に注力しており、木材加工用機械による事故の解決実績も豊富です。
初回相談無料
事故当時の状況をお聞きし、会社にどのような責任追及が可能か、賠償金はどの程度見込めるか、分かりやすくご説明します。
証拠収集の徹底
現場の機械の状況写真、業務日報、同僚の証言など、責任追及に不可欠な証拠の確保をサポートします。
粘り強い示談交渉・訴訟
依頼者様の利益を最大化するため、会社側と徹底的に交渉し、必要であれば訴訟も辞さない姿勢で戦います。
「自分が不注意だったから仕方ない」と思わないでください。 危険な機械を安全に使用させる環境を整えるのは会社の義務です。泣き寝入りせず、まずは当事務所にご相談ください。
最後に見ていただきたい労災サポートのこと

お悩みがあれば、ぜひ一度、労災問題に精通した弁護士にご相談ください。
私たちは、被災された皆様が安心して治療に専念し、一日も早く元の生活を取り戻せるよう、法的な専門知識と経験を活かして、申請手続きから会社との交渉、そして適切な後遺障害等級の獲得まで、全面的にサポートいたします。あなたの未来への不安を解消し、前を向くきっかけ作りをお手伝いさせてください。
当事務所では、電話相談10分、初回面談60分を無料で承っており、例えばメールでの後遺症簡易診断もしています。 お客様満足度は92.9%となっており、多くのお客様にご満足いただいております。
私たちの持てる知識と経験を活かして、みなさまの明日が少しでも明るいものになるように親身に寄り添い、真剣に対応させていただきます。まずはグリーンリーフ法律事務所にご相談ください。
グリーンリーフ法律事務所は、設立以来35年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。 また、各分野について専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。






