
物流や配送の現場で欠かせない「テールゲートリフター」ですが、転落や荷物の下敷きによる重大事故が後を絶たず、令和6年2月からは業務に「特別教育」が義務化されました。こうした事故の背景には、会社の安全管理体制の不備(人災)が隠れていることが少なくありません。被災された場合、労災保険から治療費などは給付されますが、精神的苦痛に対する「慰謝料」は一切支給されません。本来受け取るべき正当な補償を得るためには、会社に対して直接、損害賠償請求を行う必要があります。当事務所では、会社の法的責任を追及し、裁判所基準での適正な賠償獲得をサポートしています。泣き寝入りせず、まずはお気軽にご相談ください。
はじめに

物流業界や配送業務において、荷物の積み降ろしを効率化する「テールゲートリフター(パワーゲート)」。
重い荷物を簡単に昇降できる便利な装置ですが、その利便性の裏で、作業中の転倒や転落、荷崩れによる下敷きといった深刻な労働災害が後を絶ちません。
令和6年2月より、テールゲートリフターを使用した荷役作業に「特別教育」が義務化されたことはご存知でしょうか。これは、それだけ危険な事故が多発しているという事実の裏返しでもあります。
本記事では、テールゲートリフターによる労働災害の特徴、会社が果たすべき法的責任、そして被災された方が正当な補償を受けるための道筋について、労働災害に強い弁護士が解説します。
テールゲートリフターとは?

「テールゲートリフター」とは、トラックの荷台後部に装着された昇降装置のことで、一般的に「パワーゲート」とも呼ばれます。
ボタン操作一つで荷台と地面の間を昇降でき、ロールボックスパレット(カゴ車)などの荷役作業の負担を大幅に軽減します。
しかし、不安定な場所での操作や、慣れによる油断が生じやすく、バランスを崩して作業員ごと転落したり、荷物の下敷きになったりする事故が頻発しています。これを受け、労働安全衛生規則が改正され、テールゲートリフターの操作業務には特別教育の受講が義務付けられました。
弊所でご依頼を受けたお客様の障害補償給付申請に関しても、経年性のいわゆる加齢による症状が懸念される件でしたが、無事に10級が認定されたケースもあります。
【労災解決事例】トラック荷下ろし中の事故|「ご自身の過失」や「加齢による持病」の懸念を乗り越え、後遺障害10級(約330万円)を獲得した事例
テールゲートリフターで多発する事故類型

テールゲートリフターの構造上、わずかな傾斜や段差、操作ミスが大きな事故につながります。以下に例を掲載します。
昇降板からの転落・墜落
荷物と一緒に作業員が昇降板に乗り、バランスを崩して地面に転落する。特に雨の日や、昇降板の端に足を踏み外した場合に発生しやすい。
荷崩れ・下敷き
昇降板上でロールボックスパレット(カゴ車)が倒れ、作業員がその下敷きになる。または、倒れてきた荷物とトラックの煽り(あおり)の間に挟まれる。
挟まれ
昇降板を格納する際や、荷台との隙間に手足を挟まれる。
足の轢かれ
地面で操作中に、下降してきた昇降板に足を挟まれる。
昇降板の誤操作
誤って操作スイッチを押し、予期せぬ動きをした昇降板や荷物に激突される。
テールゲートリフターで発生する労働災害の現状

陸上貨物運送事業における労働災害の中で、荷役作業中の事故は約7割を占めており、その中でもテールゲートリフターに関連する事故は増加傾向にあります。
特に「ロールボックスパレット(カゴ車)」を取り扱う際の事故が多く、数百キロにもなるカゴ車が倒れれば、作業員はひとたまりもありません。
骨折や脊髄損傷といった重篤な障害を負うケースや、頭部を強打して死亡に至るケースも少なくありません。
これらの事故の背景には、
「特別教育を受けさせていなかった」
「昇降板にストッパー(逸走防止装置)がなかった」
「作業手順が守られていなかった」
といった、会社の安全管理体制の不備が存在することが多いのです。
ケガが起こるケース

実際に、テールゲートリフターの事故でどのような怪我が生じているのでしょうか。実例を見て参りましょう。
カゴ車の下敷きによる死亡
昇降板上でカゴ車のキャスターロックをかけ忘れたまま上昇させたところ、カゴ車が動き出し転倒。作業員が下敷きになり、胸部圧迫により死亡した。
転落による脊髄損傷
雨天時、濡れた昇降板の上で作業中に足を滑らせ、約1メートルの高さからコンクリートの地面へ背中から転落。脊髄を損傷し、下半身不随の後遺障害が残った。
挟まれによる指切断
昇降板を格納する際、目を離した隙に指を可動部に挟み込み、指を切断する重傷を負った。
あおりとの挟まれ
荷台からカゴ車を昇降板へ移動させる際、勢い余ってカゴ車が倒れ、トラックのあおり(側面)とカゴ車の間に身体を挟まれ、内臓破裂の重傷を負った。
労働安全衛生法・民法715条と使用者責任

テールゲートリフターの事故においても、会社(使用者)には重い法的責任が生じます。
安全配慮義務違反(労働安全衛生法・労働安全衛生規則)
法改正により、事業者は作業員に対して「テールゲートリフターの操作に係る特別教育」を受けさせる義務を負っています(令和6年2月1日施行)。
また、荷崩れ防止措置(ストッパーの使用等)、昇降板への乗車制限、ヘルメットの着用、作業指揮者の選任など、具体的かつ厳格な安全対策が義務付けられています。
もし、無資格で操作させていたり、安全な作業手順を教育していなかったりした場合、会社は明白な「安全配慮義務違反」となります。
使用者責任(民法715条)
例えば、同僚が誤ってスイッチを操作して事故が起きた場合でも、会社はその同僚を雇用している責任(使用者責任)として、被害者に対して損害賠償責任を負います。
労災保険給付と合わせて会社への損害賠償を請求する方法

事故に遭われた場合、まずは「労災保険」の申請を行います。
しかし、これまで解説したように、労災保険だけでは被害の全てを償うことはできません。
「慰謝料」は労災保険の対象外です。
会社の安全管理に問題があった場合(教育不足、設備の不備など)、被災労働者は労災保険の給付に加え、会社に対して慰謝料等の損害賠償請求を行う権利があります。
これらは労災申請とは別に手続きを進めることが可能です。
労災保険で受け取れる給付の種類

療養(補償)給付
診察、手術、入院、薬代などの治療費全般。
休業(補償)給付
仕事を休んだ期間の給与補償(給与の約8割)。
障害(補償)給付
治療を尽くしても治らない後遺障害が残った場合、等級に応じた年金または一時金。
遺族(補償)給付
万が一死亡された場合、遺族に対する年金または一時金。
会社への損害賠償請求で受け取れる損害の種類

労災保険ではカバーされない以下の損害を会社に請求します。
慰謝料(入通院・後遺障害・死亡)
事故による恐怖、痛みの苦痛、後遺障害による将来の不安、死亡による無念などに対する精神的損害賠償。
なお、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料とは別立てで両方とも請求可能です。
休業損害の不足分
労災保険(約8割)では賄えない残りの給与。ただし、労災保険の8割には、2割の特別給付が含まれます。これは損害賠償とは別枠で受け取れることができます。したがって、会社に対し、残り4割を請求することができます。また、場合により、労災の計算以上の方法が認められることもあります。詳しくは、ご相談いただけましたらご説明します。
逸失利益
後遺障害や死亡により、将来得られるはずだったのに失われてしまった収入。
弁護士に依頼するメリット

労働災害、特に会社に過失があるケースでは、会社側が責任を認めようとせず、「本人の不注意だ」と主張してくることが多々あります。弁護士にご依頼いただくメリットは多大です。
会社の責任逃れを許さない
法改正に基づく安全教育の実施有無や、具体的な作業手順の指示内容などを徹底的に調査し、会社の過失を立証します。
適正な賠償額の算定
保険会社や会社が提示する金額は、裁判所の基準より大幅に低いケースがほとんどです。弁護士は、過去の判例に基づいた最も高い基準(裁判所基準)で交渉します。
精神的な負担からの解放
会社側とのやり取りは全て弁護士が行います。治療に専念できる環境を整えます。
後遺障害等級認定の適正化
適切な等級が認定されるよう、主治医への診断書作成依頼のポイントなど、専門的なアドバイスを行います。
当事務所のサポート内容

当事務所は、物流・運送業における労働災害問題に注力しており、テールゲートリフター事故の解決実績も豊富です。
初回相談無料
事故当時の状況をお聞きし、会社にどのような責任追及が可能か、賠償金はどの程度見込めるか、分かりやすくご説明します。
証拠収集の徹底
事故車両の写真、タコグラフ、業務日報、同僚の証言など、責任追及に不可欠な証拠の確保をサポートします。
粘り強い示談交渉・訴訟
依頼者様の利益を最大化するため、会社側と徹底的に交渉し、必要であれば訴訟も辞さない姿勢で戦います。
労災申請の代行
会社が労災申請に協力的でない場合(労災隠しなど)でも、弁護士が代理して手続きを行います。
「自分が不注意だったから仕方ない」と思わないでください。
安全に作業できる環境を整えるのは会社の義務です。泣き寝入りせず、まずは当事務所にご相談ください。
最後に見ていただきたい労災サポートのこと

お悩みがあれば、ぜひ一度、労災問題に精通した弁護士にご相談ください。
私たちは、被災された皆様が安心して治療に専念し、一日も早く元の生活を取り戻せるよう、法的な専門知識と経験を活かして、申請手続きから会社との交渉、そして適切な後遺障害等級の獲得まで、全面的にサポートいたします。あなたの未来への不安を解消し、前を向くきっかけ作りをお手伝いさせてください。
当事務所では、電話相談10分、初回面談60分を無料で承っており、例えばメールでの後遺症簡易診断もしています。
お客様満足度は92.9%となっており、多くのお客様にご満足いただいております。
私たちの持てる知識と経験を活かして、みなさまの明日が少しでも明るいものになるように親身に寄り添い、真剣に対応させていただきます。
まずはグリーンリーフ法律事務所にご相談ください。
グリーンリーフ法律事務所は、設立以来35年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。 また、各分野について専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。






