労災の様式5号とは?書き方、記入例について弁護士が解説します

解体工事に不可欠な油圧ショベルですが、その作業には挟まれや転倒、落下物など、命に関わる重大な労働災害が多発しています。

事故が発生した場合、会社は安全管理を怠ったとして法的な責任を問われるケースがほとんどです。

被災された方は労災保険から治療費などを受け取れますが、精神的苦痛に対する「慰謝料」は一切支払われません。この慰謝料などを含む正当な賠償金を得るためには、労災保険とは別に、会社へ直接、損害賠償請求を行う必要があります。

専門家である弁護士が、会社の責任を法的に追及し、裁判基準での適正な賠償額を算出して交渉することで、被害に見合った補償の実現を目指します。

お一人で悩まず、まずはご相談ください。

油圧ショベル(解体用)で発生する労働災害について弁護士が解説

油圧ショベル(解体用)で発生する労働災害について弁護士が解説

建設現場、特に家屋やビルの解体工事において、油圧ショベルをはじめとする解体用機械は不可欠な存在です。しかし、その強力な力と重量ゆえに、一瞬の操作ミスや安全管理の不徹底が、作業員の生命を脅かす重大な労働災害に直結する危険性をはらんでいます。

本記事では、解体用機械の中でも特に使用頻度の高い「油圧ショベル(解体仕様)」に焦点を当て、その事故事例、事業主が負うべき法的責任、そして被災された方が取りうる正当な補償請求について、労働災害に精通した弁護士が詳しく解説します。

油圧ショベル(解体用)とは?

油圧ショベルは、掘削や積込み作業に用いられる代表的な建設機械ですが、「解体用」のものは、その先端のアタッチメントを付け替えることで、多様な解体作業に対応できるようになっています。

鉄骨切断カッター(圧砕機)

鉄骨や鉄筋コンクリートを強力な力で切断・圧砕します。

コンクリート圧砕機

コンクリート構造物を静かに、低振動で砕きます。

ブレーカ

頑強なコンクリートや岩盤を、鑿(のみ)の打撃によって破砕します。

これらのアタッチメントを駆使し、木造家屋から鉄筋コンクリート造のビルまで、様々な構造物を効率的に解体します。

油圧ショベル(解体用)で多発する事故類型

油圧ショベル(解体用)で多発する事故類型

解体用油圧ショベルの作業では、以下のような重大な事故が多発する傾向にあります。

機械本体との接触・挟まれ

ショベルの旋回時に、作業員が車体と壁などの間に挟まれる事故です。死角が多く、旋回範囲に作業員が立ち入ることで発生します。

アタッチメントとの接触

ブレーカや圧砕機といった重量のあるアタッチメント部分に、作業員が接触・激突する事故です。

機械の転倒・転落

不安定な地盤や、解体作業で生じた瓦礫の上で作業した際に、車体のバランスが崩れて転倒・転落する事故です。オペレーター自身が重篤な被害を受けるだけでなく、周囲の作業員を巻き込む危険もあります。

解体材の飛来・落下

圧砕機でコンクリートを砕いた際の破片や、吊り上げた解体材が落下し、下で作業している作業員に直撃する事故です。

油圧ショベル(解体用)で発生する労働災害の現状

油圧ショベル(解体用)で発生する労働災害の現状

厚生労働省の統計によると、建設業における死亡災害の原因で最も多いのが「建設機械等」に関連する事故です。特に解体工事現場では、不整地での作業、粉じんによる視界不良、予期せぬ構造物の崩壊など、事故のリスクを高める要因が数多く存在します。

油圧ショベルによる事故は、「挟まれ・巻き込まれ」が最も多く、次いで「激突され」が多くなっています。これらの事故は、オペレーターと地上作業員の連携不足や、立入禁止措置の不徹底といった、基本的な安全管理の欠如が原因で発生するケースが後を絶ちません。

重篤なケガが起こるケース

重篤なケガが起こるケース

上述の事故類型により、以下のような怪我があります。

挟まれ・圧壊による死亡・四肢切断

ショベルの旋回範囲に無断で立ち入り、後方に気づかなかったオペレーターが旋回させた車体と壁の間に挟まれる。

転倒による脊髄損傷・高次脳機能障害

瓦礫の上で作業中、バランスを崩して機体が転倒。運転席が激しく損傷し、オペレーターが頭部や頚部を強打する。

落下物による頭部外傷

上階のコンクリート壁を圧砕中、下方の立入禁止措置が不十分で、落下したコンクリートブロックが地上作業員の頭部に直撃する。

労働安全衛生法・民法715条と使用者責任

労働安全衛生法・民法715条と使用者責任

労働災害が発生した場合、会社(使用者)は、被災した労働者に対して法的な責任を負います。その根拠となるのが「安全配慮義務違反」と「使用者責任」です。

安全配慮義務違反(労働安全衛生法違反など)

事業主は、労働者が安全で健康に働けるよう、危険を防止するための措置を講じる義務があります。解体用機械の作業においては、「立入禁止措置の徹底」「合図者の配置」「機械の定期的な自主検査」「作業計画の策定と周知」などが法律で定められています。これらの安全対策を怠った結果として事故が発生した場合、事業主は安全配慮義務に違反したと判断されます。

使用者責任(民法715条)

オペレーターの操作ミスなど、他の労働者の過失によって事故が発生した場合でも、その労働者を雇用している会社が、被害者に対して損害賠償責任を負う、という規定です。会社は労働者を使って利益を得ている以上、その事業活動によって生じた損害についても責任を負うべき、という考え方に基づいています。

これらの法的責任に基づき、被災労働者は労災保険からの給付とは別に、会社に対して損害賠償を請求できるのです。

労災保険給付と会社への損害賠償を並行して請求する方法

労災保険給付と会社への損害賠償を並行して請求する方法

労働災害に被災された方は、まず「労災保険」からの給付を受けることが基本となります。しかし、労災保険の給付は、治療費や休業中の収入補償など、あくまで最低限の補償に留まります。特に、精神的苦痛に対する慰謝料は労災保険からは一切支給されません。

そこで、労災保険ではカバーされない損害を填補するために、会社に対する損害賠償請求を並行して行うことが重要になります。

労災保険で受け取れる給付の種類

労災保険で受け取れる給付の種類

労災保険からは、主に以下の給付を受けられます。

療養(補償)給付

治療費、入院費、薬代など。

休業(補償)給付

休業4日目から、給与のおよそ8割が支給されます。

障害(補償)給付

治療を続けてもこれ以上回復しない「症状固定」の状態になり、後遺障害が残った場合に、その等級に応じて年金または一時金が支給されます。

遺族(補償)給付

被災労働者が死亡した場合に、遺族に支給されます。

会社への損害賠償請求

会社への損害賠償請求

労災保険給付だけでは補償されない、以下のような損害について、会社に請求します。

慰謝料

入通院慰謝料

入院や通院を強いられたことによる精神的苦痛。

後遺障害慰謝料

後遺障害が残ったことによる将来への苦痛。

死亡慰謝料

亡くなられたご本人の無念や、ご遺族の悲しみに対する補償。

休業損害

労災保険の休業給付(約6割※+2割は特別給付のため、既払い扱いにならない)で不足する差額分(約4割)。

逸失利益

後遺障害によって労働能力が低下し、将来得られるはずだった収入が減少したことに対する補償。

将来介護費等

これらの損害額を法的に算出し、会社に対して請求していくことになります。

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼するメリット

労働災害の手続きは複雑で、専門的な知識が要求されます。また、被災者ご本人やご家族が、精神的にも肉体的にも辛い状況で、会社という大きな組織と交渉することは、計り知れない負担となります。弁護士にご依頼いただくことで、以下のようなメリットがあります。

会社との交渉窓口を一本化できる

会社や保険会社とのやり取りは全て弁護士が代行します。治療に専念できる環境を確保します。

「安全配慮義務違反」を法的に立証できる

事故状況を分析し、会社の安全対策のどこに問題があったのかを専門家の視点で的確に指摘し、損害賠償請求の根拠を固めます。

正当な損害賠償額を算出・請求できる

慰謝料や逸失利益を、過去の裁判例に基づいた法的に正当な基準(裁判所基準)で算出し、請求します。ご自身で交渉するよりも、大幅に増額できるケースがほとんどです。

後遺障害の適正な等級認定をサポートできる

後遺障害診断書の記載内容が適切か、より上位の等級が認定されるようサポートします。

当事務所のサポート内容

当事務所のサポート内容

当事務所は、これまで数多くの建設業の労働災害案件を取り扱い、被災された方々の正当な権利回復を実現してまいりました。解体用機械による事故でお悩みの方へ、以下のサポートをご提供します。

初回相談無料

事故状況を詳しくお伺いし、今後の見通しや、会社に対する損害賠償請求の可能性について、分かりやすくご説明します。

証拠保全のアドバイス

事故直後から、会社との交渉を有利に進めるためにどのような証拠(写真、記録など)を確保すべきか、具体的にアドバイスします。

損害賠償交渉・訴訟代理

豊富な経験を持つ弁護士が、あなたの代理人として、会社や保険会社と粘り強く交渉します。交渉で合意に至らない場合は、訴訟(裁判)に移行し、裁判所における正当な権利の実現を目指します。

労災保険の手続きサポート

労災申請の手続きでご不明な点があれば、全面的にサポートいたします。

解体用機械による事故は、会社の安全管理体制に問題がある「人災」である場合が少なくありません。ご自身やご家族だけで抱え込まず、まずは一度、労働災害に強い当事務所へご相談ください。

最後に見ていただきたい労災サポートのこと

最後に見ていただきたい労災サポートのこと

お悩みがあれば、ぜひ一度、労災問題に精通した弁護士にご相談ください。

私たちは、被災された皆様が安心して治療に専念し、一日も早く元の生活を取り戻せるよう、法的な専門知識と経験を活かして、申請手続きから会社との交渉、そして適切な後遺障害等級の獲得まで、全面的にサポートいたします。あなたの未来への不安を解消し、前を向くきっかけ作りをお手伝いさせてください。

当事務所では、電話相談10分、初回面談60分を無料で承っており、例えばメールでの後遺症簡易診断もしています。

お客様満足度は92.9%となっており、多くのお客様にご満足いただいております。

私たちの持てる知識と経験を活かして、みなさまの明日が少しでも明るいものになるように親身に寄り添い、真剣に対応させていただきます。

まずはグリーンリーフ法律事務所にご相談ください。

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グリーンリーフ法律事務所は、設立以来30年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。 また、各分野について専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。


■この記事を書いた弁護士
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 時田 剛志
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