【労災専門弁護士が解説】ロールボックスパレット(かご車)で発生する労働災害

ロールボックスパレット(かご車)による労災事故が多発しています!

ロールボックスパレット(かご車)による労災事故が多発しています!

物流倉庫やスーパーのバックヤード、工場など、荷物の運搬に欠かせない「ロールボックスパレット」。一般的には「かご車」や「カゴ台車」と呼ばれ、多くの現場で作業効率の向上に貢献しています。

しかし、その利便性の裏側で、ロールボックスパレットが原因となる労働災害が後を絶たないことをご存知でしょうか。

この記事では、弁護士の視点から、ロールボックスパレットで多発する事故の類型や、万が一被災してしまった場合の対処法について、詳しく解説します。

ロールボックスパレット(かご車)とは?

ロールボックスパレット(かご車)とは?

ロールボックスパレット(かご車)とは、金属製のフレームとキャスター(車輪)で構成された台車の一種です。三方を柵で囲まれ、残りの一方は開閉式のバーが付いているものが一般的です。多くの荷物を一度に、そして効率的に運搬できるため、運輸業、製造業、小売業など幅広い業界で利用されています。

多発する!ロールボックスパレット(かご車)の3大事故類型

多発する!ロールボックスパレット(かご車)の3大事故類型

厚生労働省も注意喚起を行っているように、ロールボックスパレットの取り扱い中に発生する労働災害には、典型的なパターンが存在します。

激突・挟まれ・巻き込まれ

最も多いのがこの類型です。

事例

・かご車を移動中、他の作業員に気づかず衝突してしまう。
・坂道などで勢いがつき、制御できなくなったかご車と壁や柱の間に挟まれる。
・複数のかご車を連結して運搬中、連結部や車輪に手や足を巻き込まれる。

重量のある荷物を積んだかご車は、時に人の力では簡単に止めることができません。ほんの少しの不注意が、骨折などの重大な怪我につながる危険性をはらんでいます。

転倒・転落・落下物

かご車自体の転倒や、積荷の落下による事故も頻発しています。

事例

・段差や床のくぼみにキャスターがはまり、バランスを崩してかご車ごと転倒する。
・荷物を高く積みすぎたため、不安定になり荷崩れが発生し、荷物が作業員に直撃する。
・作業員自身が、かご車を押したり引いたりする際に足を滑らせて転倒する。

特に、重心が高くなるほど転倒リスクは増大します。不適切な積載方法や、床面の安全管理不徹底が事故の引き金となります。

荷台(テールゲートリフター)での落下・墜落

トラックへの積み下ろし作業は、特に危険が伴います。

事例

・トラックの荷台(テールゲートリフター)の端から、かご車ごと作業員が墜落する。
・テールゲートリフターの操作を誤り、かご車が落下して下敷きになる。
・パワーゲートの耐荷重を超える荷物を載せたため、ゲートが破損し転落する。

テールゲートリフターからの墜落は、高さによっては命に関わる重大事故に直結します。

労働災害の現状と会社の責任

労働災害の現状と会社の責任

「これは自分の不注意だったから仕方ない」
「会社に迷惑はかけられない」

そう思っていませんか?しかし、法律は労働者を守るために、会社に対して厳しい責任を課しています。

安全配慮義務違反(労働安全衛生法違反)と民法715条(使用者責任)

弁護士の視点から見ると、労働災害において会社の責任が問われるケースは少なくありません。

まず、会社は、労働者が安全で健康に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務)を負っています。

ロールボックスパレットの安全な操作方法について、十分な教育を行っていたか?

ヘルメットなどの保護具の着用を徹底させていたか?

通路の段差をなくすなど、作業環境は安全に整備されていたか?

過積載にならないよう、適切な管理・指導を行っていたか?

これらの安全対策を怠っていた場合、会社は「安全配慮義務違反」を問われる可能性があります。

さらに、民法715条は「使用者責任」を定めています。これは、従業員が業務中に第三者に損害を与えた場合だけでなく、他の従業員に損害を与えた場合にも、会社がその損害を賠償する責任を負うというものです。

つまり、労働災害は「個人の問題」ではなく、「会社の問題」として法的に捉えられるのです。

労災保険と会社への損害賠償請求を「並行して」進める方法

労災保険と会社への損害賠償請求を「並行して」進める方法

労働災害に遭われた場合、まずは労災保険(労働者災害補償保険)の申請を行うのが第一歩です。これは、業務上または通勤中の怪我や病気に対して、国が補償を行う制度です。

労災保険で受け取れる給付の種類

労災保険からは、以下のような給付が受けられます。

・療養(補償)給付
治療費や入院費など

・休業(補償)給付
怪我で働けない間の賃金の一部補償

・障害(補償)給付
後遺障害が残った場合の年金または一時金

・遺族(補償)給付
労働者が亡くなった場合に遺族に支払われる年金または一時金

など

会社への損害賠償請求

「労災保険が下りるなら、それで十分なのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、労災保険は、被災者が受けた全ての損害をカバーするものではありません。

特に、事故によって受けた精神的苦痛に対する慰謝料は、労災保険の給付対象外です。

そこで、労災保険給付だけでは補償されない部分について、安全配慮義務違反などを根拠に、会社に対して別途、損害賠償請求を行うことが可能です。

会社に請求できる損害賠償の主な項目は以下のとおりです。

・慰謝料
入院や通院を強いられた精神的苦痛、後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する賠償

・休業損害
労災保険の休業給付(原則給与の8割)では補填されない差額分

・逸失利益
後遺障害によって将来得られるはずだった収入が減少したことに対する賠償

これらの損害賠償は、労災保険給付と並行して請求を進めることができます。

弁護士に依頼する大きなメリット

弁護士に依頼する大きなメリット

会社との損害賠償交渉は、法律の知識や交渉の経験がない個人にとっては、非常に大きな精神的・時間的負担となります。

弁護士にご依頼いただくことで、以下のようなメリットがあります。

・会社との交渉窓口を一本化
会社や保険会社とのやり取りを全て弁護士に任せることができ、治療に専念できます。

・適正な損害賠償額の算定
過去の裁判例などに基づいた「弁護士基準(裁判基準)」で慰謝料などを計算し、請求します。ご自身で交渉するよりも、高額な賠償金を得られる可能性が高まります。

・法的主張と証拠収集のサポート
会社の安全配慮義務違反を立証するための証拠集めや、法的な主張構成を専門家の視点で行います。

・精神的な支え
「この請求は正当なのだろうか」といった不安や疑問に寄り添い、法的な観点から力強くサポートします。

まずは弁護士法人グリーンリーフ法律事務所へご相談ください

まずは弁護士法人グリーンリーフ法律事務所へご相談ください

ロールボックスパレットによる事故に遭い、お怪我をされたご本人、そしてそれを支えるご家族の皆様は、大変なご苦労とご不安の中にいらっしゃることでしょう。

「会社との関係が悪化しないだろうか」「何をどう進めたらいいかわからない」

そのような時は、決して一人で抱え込まず、労働災害問題の専門家である弁護士にご相談ください。

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所は、これまで数多くの労働災害案件を取り扱い、被災された方々の権利を守るために尽力してまいりました。

私たちが、あなたの正当な権利を実現するため、全力でサポートいたします。ご相談者様のお話を丁寧にお伺いし、今後の見通しや、当事務所がお手伝いできることを分かりやすくご説明いたします。

初回のご相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせいただき、あなたの状況をお聞かせください。

~最後に見ていただきたい労災サポートのこと~

~最後に見ていただきたい労災サポートのこと~

ぜひ、上で解説したような内容を現在の自分と照らし合わせてみてください。

しかし、どれだけ調べてみても、実際に申請するとなるとやはり不安が残ってしまいますよね。

どれだけ状況が労災認定の要件に該当したとしても、申請の仕方次第で後遺症の労災認定が下りず、給付が受けられないこともあります。

もし自分が認定要件に該当しているのに、本来受け取れるはずだった給付が受け取れなくなるというのは非常に辛いことだと思います。

私たちとしても、1人でも多くの給付を受け取る権利がある方に給付を受け取っていただき、みなさまの未来への不安解消と前を向くきっかけづくりをお手伝いさせていただきたいと思っております。

もし、今この記事を読んでいるあなたが少しでもの要件に該当すると思ったら、労災分野に特化した弁護士に相談してみてください。

当事務所では、電話相談10分、初回面談60分を無料で承っており、メールでの後遺症簡易診断もしています。

お客様満足度は92.9%となっており、多くのお客様にご満足いただいております。

私たちの持てる知識と経験を活かして、みなさまの明日が少しでも明るいものになるように親身に寄り添い、真剣に対応させていただきます。

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グリーンリーフ法律事務所は、設立以来30年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。 また、各分野について専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。