「昔の会社(退職済み)に連絡したくない…」アスベストの労災・給付金は会社と関わらずに手続きできる?

アスベスト(石綿)による健康被害は、原因となった職場を辞めてから数十年後に判明することが多く、「昔の会社に今さら連絡するのは気まずい」という理由で申請をためらう方が大勢いらっしゃいます。「労災は会社が手続きしてくれるもの」という思い込みから、ご自身では何もできないと諦めてしまう方も少なくありません。しかし、決してそのようなことはありません。本稿では、元の勤務先と直接関わらずに労災・給付金の手続きを進める方法と、弁護士に依頼することのメリットについて、具体的に分かりやすく解説いたします。

「退職した会社に今さら労災の相談なんて気まずい…」そのお悩み、非常に多いです!

「退職した会社に今さら労災の相談なんて気まずい…」そのお悩み、非常に多いです!

アスベストは潜伏期間が数十年に及ぶため、「何十年も前に辞めた会社」が原因になることがほとんどです。

アスベストは、建材・断熱材・自動車部品など幅広い産業で長年使われてきました。建設業や製造業はもちろん、解体・改修の現場、造船、ブレーキ部品の取り扱いなど、ご自身では「粉じんを吸った」という自覚がないまま、長期間にわたってばく露していた方も少なくありません。アスベストのばく露によって発症する代表的な病気には、中皮腫、肺がん、石綿肺、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水などがあり、いずれも仕事によるばく露が原因と認められれば労災の対象となります。これらの病気は潜伏期間が非常に長いため、症状が出て病名が判明したときには、原因企業を退職して何十年も経過しているのが通常で、当時の担当者がすでに退職・交代していたり、会社そのものが倒産・廃業していたりすることも珍しくありません。

発症した時点で、原因となった企業をすでに退職している方がほとんどです。

「すでに疎遠になっている」「円満退社ではなかったから連絡しづらい」という心理的ハードルから、申請をためらってしまう方が実はたくさんいらっしゃいます。

「誰に・どこに相談すればよいのか分からない」「昔の人間関係を蒸し返したくない」といったお気持ちから、本来受け取れるはずの補償を受け取らないまま時間だけが過ぎてしまう――これは私たちが最も避けたいと考えている事態です。なお、ご本人だけでなくご家族からのご相談も多く、「父が建設の仕事で長く石綿を扱っていた」「夫の死因が中皮腫だった」といったお話をきっかけに、ご遺族が手続きを進められるケースも少なくありません。まずは、ご自身やご家族がどのような制度を利用できるのかを知ることが、最初の一歩となります。

「気まずさ」を理由に補償を諦めてしまうのは、非常にもったいないことです。

結論!ご自身で会社に直接連絡しなくても、労災や給付金の申請は可能です

結論!ご自身で会社に直接連絡しなくても、労災や給付金の申請は可能です

「労災=会社にお願いして手続きしてもらうもの」と思い込んでいませんか?

これは大きな誤解です。労災を請求する主体は、あくまで労働者ご本人(またはそのご遺族)であって、会社ではありません。会社はあくまで事実関係を証明する立場にすぎず、手続きの主役はご本人なのです。労災保険は、正社員に限らず、パート・アルバイト・日雇いなど雇用形態を問わず対象となり、認定されれば治療費の全額を補償する療養(補償)給付や、働けない期間の収入を補う休業(補償)給付などが支給されます。万一ご本人が亡くなられた後にアスベストが原因と判明した場合でも、ご遺族が遺族(補償)給付や葬祭料を請求することができます。

労災を請求する主体は、会社ではなく労働者ご本人(またはご遺族)です。

実は、会社からの協力(事業主の証明など)が得られなくても、労働基準監督署に事情を説明して労災申請を進める仕組みが法律で用意されています。

労災保険は、事業主の過失の有無を問わず補償を行う「無過失責任」の公的保険であり、請求の窓口は会社ではなく国(労働基準監督署)です。事業主証明が得られないときは、証明欄を空欄にしたうえで、その理由を添えて提出すれば足ります。提出後は、労働基準監督署が当時の同僚への聞き取りや資料の収集などの調査を行い、ばく露の事実や因果関係を判断していきます。したがって、会社が倒産・廃業していても、当時の担当者と連絡が取れなくても、労働者本人が単独で申請を行うことは法的に可能です。むしろ、こうした「会社が当てにならないケース」こそ、専門家のサポートが最も力を発揮する場面だといえます。

事業主証明が空欄でも、その理由を添えれば申請を進めることができます。

労災指定病院を受診すれば、窓口で労災であることを伝えるだけで、原則として自己負担なく治療を受けられます。

治療を受けた後は、病院を通じて、または労働基準監督署に対して所定の請求書を提出します。この際に、会社が署名・捺印への協力を拒むというトラブルが起きることがありますが、前述のとおり、その場合であっても、事情を記載して労働者本人が単独で申請を進めることができます。会社の対応に振り回される必要はありません。

会社が署名・捺印を拒んでも、ご本人が単独で申請を進めることができます。

建設アスベスト給付金などの国への請求も、現在の会社に知られることなく進めることが可能です

建設アスベスト給付金などの国への請求も、現在の会社に知られることなく進めることが可能です

会社への連絡・証拠集めの交渉は、すべて弁護士が「代理」で行います

建設現場でアスベストにばく露した方などを対象とする建設アスベスト給付金は、一定の要件を満たす建設業務従事者やそのご遺族が国に対して直接請求できる制度で、過去や現在の勤務先の関与なく手続きを進められます。また、労災の対象とならない方(自営業の方や、ばく露の状況が労災に当たらない方など)については、石綿健康被害救済法に基づき、独立行政法人環境再生保全機構から医療費や療養手当等の救済給付を受けられる制度も用意されています。どの制度を利用できるのかの見極めには専門的な判断が必要ですが、いずれの手続きも、基本的にはご自身が昔の会社と直接やり取りをしなくても進められます。とはいえ、当時の就労記録やばく露を示す証拠を集めるために、どうしても昔の会社や関係先への照会が必要になるケースもあります。

とはいえ、当時の就労記録や証拠を集めるために、どうしても昔の会社への照会が必要になるケースもあります。

【弁護士に依頼する最大のメリット】弁護士があなたの「代理人」として矢面に立ち、会社とのやり取りをすべて行います。

会社への問い合わせ、資料の開示請求、関係者への聞き取りの調整など、気の重い交渉はすべて弁護士が引き受けます。在籍期間や担当していた業務の内容、作業環境、使用していた建材の種類といった、ばく露の状況を裏付ける情報の収集も、弁護士が代理で進めることができます。資料がすぐに見つからない場合でも、雇用保険や年金の記録、健康診断の結果などを手がかりに立証を組み立てていきます。ご本人やご遺族には、こうした煩雑な作業から解放され、安心して治療と療養、あるいは日々の生活に専念していただけます。

あなた自身が昔の社長や担当者と直接会話したり、気まずい思いをしたりする必要は一切ありません!

「気まずいから」と諦めて給付金をもらい損ねる前に、まずは当事務所へ

「気まずいから」と諦めて給付金をもらい損ねる前に、まずは当事務所へ

連絡をためらっている間にも、労災や給付金の「時効(期限)」は迫ってきます。

労災保険の給付には、一般に、休業(補償)給付や葬祭料は2年、障害(補償)給付や遺族(補償)給付は5年といった時効があるとされ、建設アスベスト給付金などにも、被災者の状況に応じた請求期限が定められています。特に後遺障害が残る場合には、医師の診断書の内容によって認定される等級が変わり、生涯にわたる補償額に数百万円・数千万円もの差が生じることも珍しくありません。「気まずい」「面倒だ」と感じているうちに期限を過ぎてしまえば、本来受け取れたはずの補償を受け取れなくなってしまうおそれがあるのです。

迷っているうちに期限を過ぎると、本来受け取れた補償を受け取れなくなることがあります。

会社との交渉経験が豊富な弁護士が、初回無料でご相談に乗ります!

「自分のケースは対象になるのか」「まず何から始めればよいのか分からない」という段階のご相談でも構いません。ご事情を丁寧に伺ったうえで、労災・建設アスベスト給付金・石綿健康被害救済制度といった選択肢の中から、利用できる可能性のある制度をご説明し、必要な資料や見通しを整理します。連絡をためらって時間を無駄にしてしまう前に、迷っている今この時こそ、早めにご相談いただくことが何よりも大切です。

まずはお気軽に、初回無料相談をご利用ください。

まとめ

まとめ

アスベストによる健康被害は、退職から何十年も経って判明することが多く、「昔の会社に連絡するのは気まずい」という理由で申請をためらう方が大勢いらっしゃいます。しかし、ここまで述べてきたとおり、労災や給付金を請求する主体はあくまでご本人やそのご遺族であり、会社の協力が得られなくても、また会社がすでに存在しなくても、手続きを進めることは可能です。事業主証明が得られない場合は、その理由を添えて単独で申請でき、労働基準監督署が必要な調査を行います。そして、昔の会社とのやり取りや証拠集めが必要となる場面でも、弁護士が代理人としてそのすべてを引き受けますので、ご本人が気まずい思いをすることは一切ありません。気まずさを理由に、また時効を理由に、正当な補償を諦めてしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。

ご相談
グリーンリーフ法律事務所は、設立以来35年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。 また、各分野について専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。

■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 遠藤 吏恭

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