
近年の会社法改正は、中小企業の「株主対応」や「社長のリスク管理」に直結しています。埼玉の経営者が今押さえるべき重要ポイントは以下の3点です。株主総会資料の電子提供制度、役員補償・D&O保険のルール化、株式交付制度(M&Aの円滑化)。曖昧な運用は、将来の「揉め事」や「会社売却」の際に致命的なリスクとなります。定款のアップデートやリーガルチェックを通じて法務の「守り」を固めることが、安心して「攻め」の経営を行うための土台となります。
はじめに~法改正は「知らなかった」では済まされない

「会社法が改正された」
「株主総会のデジタル化が進んだ」
ニュースで耳にしていても、日々の業務に追われ、「ウチのような中小規模の会社には関係ない話だ」とスルーしていませんでしょうか?
しかし、近年の会社法改正は、上場企業だけでなく、すべての中小・中堅企業の「株主との付き合い方」や「社長個人のリスク管理」に直結する内容が含まれています。 具体的な改正点への対応を怠ると、いざという時に株主総会の決議が取り消されたり、経営陣が予期せぬ損害賠償責任を負ったりする恐れがあります。
今回は、特に埼玉県内の中小企業経営者様に押さえていただきたい、近年の改正会社法(令和元年改正)の重要ポイントを3つに絞って解説します。
改正会社法の3つの重要ポイント

ポイント1 株主総会資料の「電子提供制度」への対応
~「紙」から「ウェブ」へ。しかし、定款変更は済んでいますか?~
改正により、株主総会の招集通知や参考書類を、自社のウェブサイト等に掲載し、株主にはそのURL等を通知すれば足りる「電子提供制度」が導入されました。
これにより、印刷・郵送コストの大幅な削減や、修正時の対応がスムーズになるメリットがあります。
【ここがチェックポイント!】
- 定款の変更
この制度を利用するには、定款にその旨を定める必要があります。御社の定款は古いままになっていませんか? - 書面交付請求への対応
デジタルに不慣れな株主から「今まで通り紙で送ってほしい」と請求された場合、正当な理由なく拒否はできません。その際の実務フローは確立されていますか?
「形だけデジタル化」しても、株主への配慮(実質的な対話)が欠けていれば、総会当日に紛糾するリスクとなります。
ポイント2 「役員への補償」と「D&O保険」のルール化
~社長自身を守るための「盾」は用意できていますか?~
経営判断には常にリスクが伴います。
万が一、会社や第三者に損害を与えてしまった場合、役員個人が巨額の賠償責任を負うリスクがあります。
近年の改正では、会社が役員の賠償責任を補償する契約(会社補償)や、役員賠償責任保険(D&O保険)の保険料を会社が負担することに関する手続が明確化されました。
【ここがチェックポイント!】
- 株主総会での決議
会社が社長の保険料を負担する場合、適切な手続(取締役会決議や社外取締役の関与など)を経ていないと、「利益相反取引」として無効になる恐れがあります。 - 優秀な人材の確保
この「身を守る仕組み」が整備されていない会社には、外部からの優秀な役員や後継者が就任を躊躇する傾向にあります。事業承継を見据える上でも、この規定の整備は急務です。
ポイント3 株式交付制度の創設(M&Aの円滑化)
~「お金」を使わずに会社を買収・グループ化する~
「株式交付」という制度が新設されたことで、自社株を対価として他社を子会社化することが、以前より容易になりました。 これにより、手元資金を温存したまま、スピーディーな事業拡大や組織再編(M&A)が可能になります。
【ここがチェックポイント!】
- スキームを法律の専門家とともにチェック
この制度は便利ですが、債権者保護手続きや反対株主への対応など、高度な法的判断が求められます。「攻めの経営」を行うためにも、法律の専門家によるスキーム構築が不可欠です。
顧問弁護士のすすめ

いかがでしたでしょうか。
「電子提供? 保険の手続き? うちは口約束や慣例でやっているから……」
そう思われた経営者様こそ、注意が必要です。
会社法は「平時」には意識されにくい法律ですが、「株主・親族間で揉めた時」や「会社を売却しようとした時」に、過去の手続の不備が全て露呈します。
その時になって「手続きが違法だった」と判明すれば、取り返しがつきません。
顧問弁護士は「転ばぬ先の杖」であり「加速装置」です。
私たち法律事務所は、埼玉エリアの企業の皆様に対し、これらの法改正に対応した定款の見直しや、議事録のリーガルチェックを行っています。
・古い定款を現在の法律に合わせてアップデートしたい
・役員の法的責任範囲を明確にし、安心して経営に専念したい
・M&Aや事業承継を検討している
一つでも当てはまる場合は、ぜひ一度ご相談ください。
「守り」を固めることは、安心して「攻め」の経営を行うための第一歩です。
グリーンリーフ法律事務所は、設立以来30年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。 企業が直面する様々な法律問題については、各分野を専門に担当する弁護士が対応し、契約書の添削も特定の弁護士が行います。企業法務を得意とする法律事務所をお探しの場合、ぜひ、当事務所との顧問契約をご検討ください。
※ 本コラムの内容に関するご質問は、顧問会社様、アネット・Sネット・Jネット・保険ネット・Dネット・介護ネットの各会員様のみ受け付けております。






