2023/10/29

 以前当コラムで円安についての影響を述べました。

 その後も円安の傾向は続き、再び円は対ドルで150円という記録をつけました。

 こうした円安が輸入物価の高騰を招き、生活を直撃していることは皆様も実感の通りだと思いますが、この円安は、大学にも影響及ぼしているという報道を見ました。

ある大学では電気代の高騰により節電を呼びかけるメールが流れるということのようです。

また学生たちは、海外の研究論文を購入する際に、為替換算で従来よりも高い金額で論文の購入を余儀なくされているということのようです。

教育・研究が、経済成長に影響を与えることは様々な研究で実証されているようです。

大学が電気代を抑制することで、実験の回数や質の低下が懸念されます。

また学生が質の高い論文にアクセスできることが阻害される結果、学生の研究の進展を阻害しかねません。

このように、円安は、教育・研究を阻害する要素も見受けられます。

長期的な経済の発展のためには教育・研究環境を充実させる必要がありますが、この観点からも、現状の為替水準が良いか、再検討が必要なのではないでしょうか。

■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 野田 泰彦

弁護士のプロフィールはこちら