
本記事は、さいたま市大宮区にある、埼玉県内でトップクラスの弁護士法人グリーンリーフ法律事務所の交通事故集中チームの弁護士が執筆しています。
本記事(後編)では、信号機のない交差点における自転車同士の過失割合の基準(VI-4〜VI-8)、過失割合を左右する修正要素、慰謝料・損害賠償の請求方法、保険会社の主張への対策、弁護士に相談すべき理由について解説します。
信号機のない交差点での直進車同士の事故(出合い頭)

信号機による交通整理が行われていない交差点(無信号交差点)における直進車同士の出合い頭事故についての基準です。この種の事故のほとんどは「見とおしがきかない交差点」で発生することから、これを基本とし、「見とおしがきく交差点」であることを修正要素としています。
無信号交差点では、道路の状況(幅員・優先関係・一時停止規制の有無等)によって基本となる過失割合が変わります。判例タイムズ39号は、①同幅員、②一方通行違反、③広路・狭路、④一時停止規制あり、⑤優先道路の5類型に整理しています。
同幅員の交差点【VI-4】

交差する道路の幅員がおおむね同じ(一方が優先道路でも明らかに広い道路でもなく、一時停止規制もない)場合です。
| 事故態様 | Ⓐ過失 | Ⓑ過失 | 備考 |
| 基本①(Ⓐ左方車・Ⓑ右方車) | 45 | 55 | 左方優先(法36条1項1号) |
| Ⓐの児童等・高齢者② | −10 | +10 | |
| Ⓐの右側通行・左方から進入③ | +10 | −10 | 逆走加算 |
| Ⓐの減速なし・明らかな速度差④ | +10 | −10 | |
| Ⓐの著しい過失・重過失⑤ | +10〜20 | −10〜20 | |
| 見とおしがきく交差点⑥ | −10 | +10 | Ⓐ有利 |
| Ⓑの児童等・高齢者② | +10 | −10 | |
| Ⓑの減速なし・明らかな速度差④ | −10 | +10 | |
| Ⓑの著しい過失・重過失⑤ | −10〜20 | +10〜20 |
① 一方に一時停止の規制がある場合は、本基準ではなく【VI-7】によります。
② 児童等・高齢者の意味・内容については用語集2(2)参照。児童等・高齢者が受傷者である場合に修正要素とします。
③ 右側通行・左方から進入の意味・内容については用語集4㉔を参照。見とおしがきく交差点の場合には、一方の自転車(Ⓐ)が右側通行をし、かつ他方の自転車(Ⓑ)から見て左方から交差点に進入することによって事故回避の困難性が高まるわけではないから、この修正は行わない。
④ 減速なし・明らかな速度差の意味・内容については用語集4㉘を参照。
⑤ 著しい過失・重過失の意味・内容については用語集6(1)(2)を参照。
⑥ 見とおしがきく交差点の意味・内容については用語集1㉕を参照。基本の過失相殺率は、見とおしがきかない交差点において事故が発生したことを想定しているため、見とおしがきく交差点であることを修正要素としました。
一方通行違反がある場合【VI-5】

一方の自転車が一方通行規制に違反して交差点に進入した場合です。ただし、一方通行規制において自転車が対象から除外されている場合はこの基準の対象外であり、【VI-4】などの基準が適用されます。
| 事故態様 | Ⓐ過失 | Ⓑ過失 | 備考 |
| 基本 | 30 | 70 | 明確な法規違反あり |
| Ⓐの児童等・高齢者① | −10 | +10 | |
| Ⓐの右側通行・左方から進入② | +10 | −10 | |
| Ⓐの減速なし・明らかな速度差③ | +10 | −10 | |
| Ⓐの著しい過失・重過失④ | +10〜20 | −10〜20 | |
| Ⓑの児童等・高齢者① | +10 | −10 | |
| Ⓑの右側通行・左方から進入② | −10 | +10 | |
| Ⓑの減速なし・明らかな速度差③ | −10 | +10 | |
| Ⓑの著しい過失・重過失④ | −10〜20 | +10〜20 |
一方通行違反車(Ⓑ)には明確な法規違反があることから、相手方(無違反側Ⓐ)の過失よりもはるかに大きいといわざるを得ず、一時停止義務違反の場合よりも優劣関係は明確です。ただし、見とおしがきかない交差点である以上、無違反側にも徐行義務(法42条1号)や安全確認義務が全くないとはいえません。なお、一方の車両が一方通行規制に違反して進行し、交差点に進入した場合であっても、当該交差点が見とおしがきかない交差点であるときには、他方の車両にも徐行義務があり(法42条1号)、また、一方通行違反となる方向に対する安全確認義務も全くないとはいえないでしょう。
一方が明らかに広い道路(広路)の場合【VI-6】

交差する道路の一方が「明らかに広い道路(広路)」である場合、広路側の自転車が優先されます。「明らかに広い道路」とは、道路の幅員の差が一見して明らかな場合をいいます。
なお、狭路側に一時停止の規制がある場合は後述の【VI-7】によるのが相当です。また、広路が幹線道路で狭路が路地に類する場合など広路の優先性が特に顕著な場合は、優先道路の基準【VI-8】に準じる場合もあります。
| 事故態様 | Ⓐ過失 | Ⓑ過失 | 備考 |
| 基本 | 40 | 60 | 広路側優先 |
| Ⓐの児童等・高齢者③ | −10 | +10 | |
| Ⓐの右側通行・左方から進入④ | +10 | −10 | |
| Ⓐの減速なし・明らかな速度差⑤ | +10 | −10 | |
| Ⓐの著しい過失・重過失⑥ | +10〜20 | −10〜20 | |
| 見とおしがきく交差点⑦ | −10 | +10 | |
| Ⓑの児童等・高齢者③ | +10 | −10 | |
| Ⓑの右側通行・左方から進入④ | −10 | +10 | |
| Ⓑの減速なし・明らかな速度差⑤ | −10 | +10 | |
| Ⓑの著しい過失・重過失⑥ | −10〜20 | +10〜20 |
① 明らかに広い道路(広路)の意味・内容については用語集1⑲を参照。
② 狭路側に一時停止の規制がある場合は、狭路車(Ⓑ)の広路車(Ⓐ)に対する劣後性が明らかであるから、本基準ではなく【VI-7】によるのが相当です。また、広路が幹線道路で狭路が路地に類する場合など、広路の優先性が特に顕著である場合には、優先道路の基準(【VI-8】)によるのが相当なこともあるでしょう。③④⑤⑥⑦については【VI-4】の注③④⑤⑥を参照。
一方に一時停止の規制がある場合【VI-7】

道路標識等により一時停止すべきことが指定された交差点では、一時停止規制のある側の車両は停止線直前で一時停止し、交差道路を通行する車両等の進行を妨げてはなりません(法43条)。一時停止義務違反は重大な過失であり、その側が大幅に不利に扱われます。
本基準は、一方に一時停止の規制がある限り、同幅員の交差点だけでなく、広路と狭路が交わる交差点にも適用されます。狭路側に一時停止の規制がある場合は、一時停止義務が加重されているため、【VI-4】・【VI-6】の一時停止規制がある場合の特則として本基準によるのが相当です。
| 事故態様 | Ⓐ過失 | Ⓑ過失 | 備考 |
| 基本 | 30 | 70 | 一時停止義務違反の重さ |
| Ⓐの児童等・高齢者② | −10 | +10 | |
| Ⓐの右側通行・左方から進入③ | +10 | −10 | |
| Ⓐの減速なし・明らかな速度差④ | +10 | −10 | |
| Ⓐの著しい過失・重過失⑤ | +10〜20 | −10〜20 | |
| Ⓑの児童等・高齢者② | +10 | −10 | |
| Ⓑの一時停止後進入⑥ | +15 | −15 | 一時停止遵守で軽減 |
| Ⓑの右側通行・左方から進入③ | −10 | +10 | |
| Ⓑの減速なし・明らかな速度差④ | −10 | +10 | |
| Ⓑの著しい過失・重過失⑤ | −10〜20 | +10〜20 |
重要な修正要素として「Ⓑの一時停止後進入(+15)」があります。一時停止規制がある側の自転車が、実際に一時停止を行ったうえで進入した場合は、一時停止義務を果たしたとして15ポイント分Ⓑの過失が軽減されます(基本70 → 55程度)。逆に言えば、一時停止を行わずに進入した場合は、この軽減は受けられません。
① 本基準は、一方に一時停止の規制がある限り、同幅員の交差点だけでなく、広路と狭路とが交わる交差点についても適用があります。②③④⑤については【VI-4】の注②③④⑤を参照。⑥ 一時停止後進入の意味・内容については用語集4⑥を参照。
一方が優先道路の場合【VI-8】

「優先道路」とは、道路標識や中央線、道路の形状などにより優先関係が示されている道路をいいます(法36条2項・3項)。幹線道路、片側2車線以上の道路、中央分離帯が設置されている道路などが典型例です。
優先道路を通行する自転車は、見とおしがきかない交差点の徐行義務が免除されます(法42条1項かっこ書)。ただし、法36条4項による注意義務は依然として要求されており、具体的な事故の場面では優先車にも前方不注視等何らかの過失が認められることが多いため、基本割合が0にはなりません。
| 事故態様 | Ⓐ過失 | Ⓑ過失 | 備考 |
| 基本② | 20 | 80 | 優先道路の優位性 |
| Ⓐの児童等・高齢者③ | −10 | +10 | |
| Ⓐの右側通行・左方から進入④ | +10 | −10 | |
| Ⓐの著しい過失・重過失⑤ | +15〜25 | −15〜25 | |
| Ⓑの児童等・高齢者③ | +10 | −10 | |
| Ⓑの右側通行・左方から進入④ | −10 | +10 | |
| Ⓑの高速度進入⑥ | −10 | +10 | |
| Ⓑの著しい過失・重過失⑤ | −10〜15 | +10〜15 |
① 優先道路の意味・内容については用語集1⑱を参照。優先道路といっても、その態様は様々であり、幹線道路もあれば、単に中央線が引かれているだけで劣後車側の道路幅と差がない道路もある。幹線道路、片側2車線以上の道路及び中央分離帯が設置されている道路など、優先性が明らかな優先道路以外の場合においては、一時停止の規制のある場合の基準(【VI-7】)に準じて考えてよいこともある。また、一方の広路が幹線道路で他方の狭路が路地に類するときなど、広路の優先性が特に顕著であるときには、本基準に準じて考えてよいこともあろう。
② 優先道路を通行している車両等は、見とおしがきかない交差点を通行する場合においても徐行義務がないが(法42条1号かっこ書)、その場合でも法36条4項による注意義務は依然として要求されており、具体的事故の場面では優先車にも前方不注視等何らかの過失が肯定されることが多い。ここでは、上記のような通常の過失を前提として、基本の過失相殺率を設定している。なお、劣後車(Ⓑ)が既に交差点に入って停止しているところに優先車(Ⓐ)が衝突した場合のように、およそ出合い頭事故と呼ぶにふさわしくないほどに先入の程度が著しい場合は、本基準の対象外である。③④⑤⑥については【VI-4】の注②③⑤と用語集4⑳を参照。
過失割合を左右する主な修正要素

基本となる過失割合は、個別の事情によって調整(修正)されます。以下に主な修正要素を解説します。
著しい過失・重過失
通常の不注意を超える著しい過失や、故意に準じた重過失がある場合に過失割合が大幅に加算されます。自転車における具体例として以下が挙げられます。
- スマートフォンを操作しながらの運転(ながら運転)
- 酒気帯び運転・酒酔い運転
- 夜間の無灯火走行
- 二人乗り(法律上認められた場合を除く)
- 傘を差しながらの運転
- イヤホンを装着して外部の音が聞こえない状態での走行
これらは自転車に特有の違反態様であり、修正幅は事故の類型や状況に応じて通常10〜20ポイントとされています。著しい過失と重過失は区別され、重過失の場合はより大きな修正がなされます。
高速度進入
自転車が時速15km程度(普通の速度)を大幅に超える速度で交差点に進入した場合、高速度進入として過失割合が加算されます。電動アシスト自転車やスポーツタイプの自転車に多い要素です。
右側通行(逆走)・左方からの進入
自転車は軽車両として道路の左側を通行しなければなりません(法17条4項・法63条の3等)。右側通行いわゆる「逆走」をしていた場合、交差点への進入方向が「左方から進入」となり、本来であれば左方優先によって有利な立場になるはずのところ、逆に過失が加算されることがあります。ただし、自転車横断帯を通行している場合など特定の条件下では修正が行われない場合もあります。
児童・高齢者の取り扱い
被害者(損害賠償請求権の権利者)が児童・高齢者である場合、被害者保護の観点から過失割合が軽減されます。ただし、加害者側が児童・高齢者である場合は、逆に過失が若干加重または軽減される場合があります(事故類型による)。赤信号で進行してはいけないという規制は児童・高齢者も遵守すべきですが、認知・反応能力の面での配慮として、修正の程度は事故類型によって細かく設定されています。
「見とおしがきく交差点」の取り扱い
本基準は見とおしがきかない交差点での事故を前提としています。見とおしがきく交差点(左右の安全確認が容易にできる開けた交差点)では、相手方を発見して事故を回避できた可能性が高いため、基本的に被害者(規制のない側)にとって不利な修正要素となります。
慰謝料の3つの算定基準|自賠責・任意保険・弁護士基準の違い

自転車事故の損害賠償を考えるうえで欠かせないのが「3つの算定基準」です。これは交通事故一般に共通する重要な知識です。
3つの基準の概要
慰謝料の計算には3つの基準があります。
- 自賠責基準:法律で定められた最低限の補償。最も金額が低い。
- 任意保険基準:各保険会社が独自に設定している基準。自賠責基準よりは高いが、弁護士基準には及ばない。
- 弁護士基準(裁判基準):過去の裁判例をもとに設定された基準。3つの中で最も高額であり、法的に認められる正当な賠償額といえる。
保険会社が被害者本人に提示してくる金額は、通常「任意保険基準」かそれに近い低い金額です。被害者が「弁護士基準」で賠償金を受け取るためには、弁護士を立てて交渉することが事実上不可欠です。
入通院慰謝料の計算例(自賠責基準 vs 弁護士基準)
【設例】通院期間6か月(180日)、実通院日数60日のケース
| 項目 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
| 計算方法 | 日額4,300円×(2×実通院日数と通院期間の少ない方) | 別表Ⅱ(軽傷)適用(下表参照) |
| 計算式 | 4,300円 × 120日 = 51万6,000円 | (別表2参照) |
| 概算金額 | 約51万円 | 約89万円(目安) |
| 差額 | ― | 約38万円以上の差 |
(下表参照)自賠責基準では日額4,300円をベースに「実通院日数の2倍」と「通院期間の日数」を比較した少ない方の日数を掛けて算出します(むちうち等の軽傷の場合)。これに対し弁護士基準では別表Ⅱ(下表参照)を用いており、同じ条件でも2倍近い金額になることがあります。
後遺障害が残った場合の逸失利益
自転車事故でも、骨折や頭部外傷などにより後遺障害が残った場合は、後遺障害慰謝料と逸失利益を請求できます。後遺障害等級は第1級〜第14級まで設定されており、等級に応じた補償が受けられます。
■ 逸失利益の計算式
後遺障害による逸失利益=基礎収入額 × 労働能力喪失率(下表参照)× 就労可能年数に対するライプニッツ係数
| 【計算例】30歳の会社員(年収500万円)、後遺障害14級(労働能力喪失率5%)、67歳まで就労と仮定(37年・ライプニッツ係数21.832) → 500万円 × 5% × 21.832 = 約546万円 |
自賠責保険の後遺障害逸失利益の限度額(第14級は75万円)を超える金額については任意保険や損害賠償交渉で請求することになります。弁護士基準による交渉では、この計算式に基づき正当な金額を請求します。
請求できる損害賠償の項目

自転車事故でけがを負った場合に請求できる賠償項目は、四輪車事故の場合と基本的に変わりません。主な項目は以下のとおりです。
積極損害(実際に支出した費用)
- 治療費:手術、入院、通院、リハビリ等にかかった実費
- 入院雑費:入院中の日用品購入費等(1日につき1,500円が目安)
- 通院交通費:病院への往復交通費(電車・バスは実費、自家用車は1kmあたり15円)
- 付添看護費:症状に応じた付添費用
- 装具費:コルセット、松葉杖、車いす等の補装具費用
消極損害(得られるべきだった利益の喪失)
- 休業損害:けがで仕事を休んだ期間の収入減(給与所得者・自営業者・専業主婦いずれも請求可能)
- 後遺障害逸失利益:将来にわたる労働能力の低下による損失(前述の計算式による)
慰謝料(精神的損害)
・入通院慰謝料:入院・通院を余儀なくされた精神的苦痛への補償
・後遺障害慰謝料:後遺障害が残ったことによる精神的苦痛への補償
・死亡慰謝料:被害者が死亡した場合(弁護士基準では2,000〜2,800万円程度)
自転車事故ならではの保険会社の反論とその対策

自転車同士の事故では、四輪車の事故と異なる特有の問題が生じます。保険会社・相手方からよくある主張とその対策を解説します。
「過失相殺でかなり減額される」という主張への対策
【保険会社の主張】「あなたにも大きな過失があるので、受け取れる金額は少ない」
【対策】過失割合は判例タイムズ39号の基準に基づき正確に算定される必要があります。保険会社が提示する過失割合が不当に高く設定されていないか確認することが重要です。修正要素(著しい過失・高速進入等)の有無や事故状況を精査し、不当な加算がなされていれば交渉で是正できます。新しく設けられた自転車同士の基準は実務に定着しておらず、保険会社側が古い基準や不利な割合を主張してくる可能性があります。最新の判例タイムズ39号を根拠とした正確な主張が、弁護士による交渉では可能です。
「自転車保険の限度額内に収まる」という打ち切り主張への対策
【保険会社・相手方の主張】「相手の自転車保険の上限額(例:1000万円)を超えているので、それ以上は払えない」
【対策】相手方が加入している個人賠償責任保険等の保険限度額を超える損害については、相手個人に対して直接請求することが法律上可能です。また、ご自身が加入している「人身傷害保険」などが自転車事故に適用されるかを確認することも重要です。
「軽い怪我なので慰謝料は少額」という主張への対策
【保険会社の主張】「自転車事故だから大したことない。最低限の補償で示談してほしい」
【対策】自転車同士の衝突でも、骨折、頭部外傷、脊椎損傷など重篤な怪我を負うことがあります。事故直後に軽症と思われた場合でも、後から症状が悪化したり後遺症が判明したりするケースも少なくありません。治療が終了する前に安易に示談することは避け、症状が固定するまで適切な治療を続けることが重要です。
「相手が無保険・支払い能力がない」という問題への対策
自転車事故は、自動車事故と異なり、相手方が自転車保険に加入していない場合が少なくありません(自転車保険の加入が義務化されていない地域もあります)。
このような場合、以下の方法を検討してください。
- ご自身の人身傷害保険が自転車事故に適用されるか確認する
- ご自身の個人賠償責任保険の特約等で補填できるか確認する
- 相手方への直接の損害賠償請求訴訟を提起する
- 相手方の資力を調査したうえで差押え等の保全手続きを検討する
「スマホ・イヤホンは関係ない」という主張への対策
【相手方の主張】「スマホを見ていたが事故の原因は別だ」「イヤホンをしていても問題ない」
【対策】スマートフォンを操作しながらの運転(ながら運転)は道路交通法違反です(令和6年の法改正でさらに厳格化)。また、外部の音が聞こえない状態でのイヤホン使用は、多くの都道府県の道路交通規則で禁止されています。これらは判例タイムズ上も「著しい過失」に該当し、過失割合の修正要素となります。ドライブレコーダーの映像、目撃者の証言、警察の実況見分調書などの証拠収集が有効です。
弁護士に相談・依頼すべき理由

自転車事故でも、弁護士に相談・依頼することで被害者の権利を適切に守ることができます。以下に具体的な理由を説明します。
最新の過失割合基準(判例タイムズ39号)に基づく正確な主張が可能
令和8年3月に改訂された判例タイムズ39号は、自転車同士の事故に関する初めての独立した基準を設けており、実務への浸透はこれからです。弁護士は最新基準を踏まえた正確な過失割合の主張が可能であり、保険会社が根拠のない過失割合を主張してきた場合でも適切に反論できます。
弁護士基準による慰謝料請求で賠償額が変わる
前述のとおり、慰謝料の算定基準は自賠責・任意保険・弁護士(裁判)基準の3種類があります。保険会社が提示する金額は通常、任意保険基準またはそれ以下です。弁護士が交渉・訴訟を行うことで、最も高額な弁護士基準での請求が現実的になり、受け取れる賠償金額が変わってくることがあります。
後遺障害等級認定手続きのサポート
後遺障害が残った場合、適切な等級認定を受けることが賠償額に大きく影響します。弁護士は医療照会、診断書の精査、異議申立手続きなど、後遺障害認定に向けたサポートが可能です。自転車事故では特に頭部外傷・認知機能の低下・高次脳機能障害など見落とされやすい後遺症があるため、専門家のサポートが重要です。
示談交渉・訴訟の代理
相手方・保険会社との交渉は精神的にも大変な負担となります。弁護士に依頼することで、被害者本人に代わって交渉・訴訟を行うことができ、被害者は治療や日常生活の回復に専念できます。また、感情的になりがちな当事者間の直接交渉を避けることで、冷静かつ合理的な解決が期待できます。
相手方が無保険の場合の対応
相手が自転車保険に加入していない場合でも、弁護士は損害賠償請求の方法や、ご自身の保険の活用方法、法的手続きの選択肢について具体的なアドバイスが可能です。示談交渉が不調に終わった場合には、少額訴訟・通常訴訟・調停等の手続きを代理して行うことができます。
弁護士費用特約の活用|多くの場合、費用は保険会社が負担

【弁護士費用特約】とは、ご自身が加入している自動車保険・火災保険・個人賠償責任保険等に付帯している特約です。
弁護士費用特約が付いている場合は、交通事故について保険会社との交渉や損害賠償のために弁護士を依頼する費用が、加入している保険会社から支払われます。
被害に遭われた方は、ご自身が加入している各種保険を一度確認してみてください。わからない場合は、保険証券等に記載されている窓口にお電話で確認してください。
弁護士費用特約の補償額は、通常300万円までです。多くのケースでは300万円の範囲内で、自己負担一切なしでおさまります。
なお、弁護士費用特約を利用して弁護士に依頼する場合、どの弁護士を選ぶかは、被害に遭われた方の自由です。
※ 保険会社によっては、保険会社の承認が必要な場合があります。
弁護士費用特約を使っても、等級は下がりません。弁護士費用特約を利用することで保険料が上がることは基本的にありません。
まとめ|自転車事故に遭ったら弁護士法人グリーンリーフへ

自転車同士の事故は、信号の有無・道路状況・走行方向・個人の属性(児童・高齢者)・運転態様(スマホ・飲酒等)など、さまざまな要素によって最終的な過失割合が大きく変わります。保険会社が提示してくる示談額や過失割合が適正かどうか、ご自身では判断が難しいことも多いと思います。
適切な賠償を受けるためには、交通事故に詳しい弁護士への早期相談が重要です。
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所は、さいたま市大宮区にあり、設立以来35年以上の実績があり、多数の弁護士が所属する埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。
交通事故においても専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は専門チームの弁護士が担当します。自転車事故でお悩みの方に適切なアドバイスができるかと存じますので、まずは一度お気軽にご相談ください。ラインや電話での無料相談も可能です。
グリーンリーフ法律事務所は、設立以来35年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。 また、各分野について専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。













