
立体自動倉庫では、稼働中の挟まれや転落等の重大事故が発生する危険があります。労災給付だけでは補償が不十分な場合、会社に対して損害賠償を請求できる可能性があります。複雑な過失割合等の交渉もあるため、早期に弁護士へ相談することが重要です。
1 立体自動倉庫とは?

立体自動倉庫は、以下の3つの要素によって構成されます。
① 高層ラック
建物の天井近くまで積み上げられた棚です。
土地の広さがあまり確保できない場合でも、高さを利用することで、保管効率を格段に高めます。
② 搬送機
棚と棚の間の狭い通路を、前後・上下に高速で移動するロボットです。パレットやバケットを正確にすくい上げ、運びます。
③ 制御システム
「どこの棚に、何が、いくつあるか」を管理するコンピュータです。
単なる倉庫ではなく、工場の製造ラインの一部や、都市部での効率的な物流拠点として、幅広い業界で利用されています。
2 立体自動倉庫で多発する事故類型

立体自動倉庫は、高度に自動化されているがゆえに、ひとたびミスが起こると、重大事故につながることがあります。事故類型としては、例えば、以下のようなものがあります。
①巻き込まれ・挟まれによる事故
例えば、荷崩れやセンサー異常で停止した際、作業員が中に立ち入って修理中に、別の作業員が「復旧した」と勘違いしてスイッチを入れたり、センサーが人を検知せず自動復旧することで、走行してきたクレーンと棚の間に挟まれることがあります。
②高所からの転落事故
立体自動倉庫のラックは、数十メートルの高さに達することがあります。
そのため、途中で止まってしまった荷物を直そうとして、安全帯(フルハーネス)をつけずにラックの支柱を登り、足を滑らせて転落することがあります。
また、メンテナンス用の狭いキャットウォークで作業中、バランスを崩して落下することもあります。
③荷物の飛来や落下による事故
立体自動倉庫では、高い所にも重量物があります。
そのため、パレットの載せ方が不安定で落下したり、地震等により落下した重量物が、作業員に直撃することがあります。
3 立体自動倉庫により発生する労働災害の現状

立体自動倉庫での労災事故は、すべての労災事故のなかで、顕著に多いというわけではありません。
しかしながら、機械が自動で動く(つまり、力の加減がない)という特性のため、接触や衝突により、重大な事故につながる可能性があります。
また、流通業界のキャパシティや人材難の問題もあり、自動倉庫は増えていますので、今後も事故が大きく減ることは想定し難いと言えます。
4 労働安全衛生法・民法715条(使用者責任)

労働安全衛生法とは、労働基準法とともに、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化、自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする法律です(同法1条)。
会社側に労働安全衛生法違反が認められるような場合には、不法行為に基づく損害賠償を請求することができます。
また、他の従業員の過失により事故に巻き込まれてしまった場合には、その従業員のみならず、会社に対しても使用者責任(民法715条)に基づいて損害賠償を請求することができます。
この請求権により、事故を起こしてしまった従業員に資力が無い(賠償金を支払う経済的な余力が無い)場合であっても、会社側に賠償してもらうことで、被害の救済を図ることができます。
5 労災保険給付と会社への損害賠償を並行して請求する方法

⑴労災保険で受け取ることができる給付の種類
以下は、労災保険で受け取ることができる給付の一例です。
①療養(補償)給付
労災病院や労災指定病院等を受診・治療する場合には、当該病院に「療養(補償)給付たる療養の給付請求書」を提出し、請求します。
それ以外の医療機関を利用して受診・治療した場合には、費用を立て替えた上で、労働基準監督署に「療養(補償)給付たる療養の費用請求書」を提出し、請求します。
例えば、治療費や薬代、器具の費用、施術費用などが給付の対象になります。
②休業(補償)給付
労働基準監督署に「休業(補償)給付支給請求書」を提出し、請求します。
③障害(補償)給付
労働基準監督署に「障害(補償)給付支給請求書」を提出し、請求します。
④傷病(補償)年金
労働基準監督署が職権で行うため、請求は必要ありません。
⑤介護(補償)給付
労働基準監督署に「介護(補償)給付支給請求書」を提出し、請求します。
⑵会社に対する損害賠償請求
例えば、休業損害の一部や通院慰謝料や後遺障害慰謝料については労災からは支給されないように、労災給付は十分な補償とは言えません。
そのため、労災から給付されない部分については、会社への損害賠償請求を検討することになります。
その際には、前記の「4 労働安全衛生法・民法715条(使用者責任)」の内容などを中心に検討することになります。
6 弁護士に依頼するメリット

労災事故において、特に大きな事故に遭ったり、病気になってしまった場合には、生活が一変します。
一方で、労災給付の額は、非常に大きくなる可能性があります。
また、会社に対しても、多額の損害賠償請求をすることができる可能性もあります。
もっとも、逸失利益や過失割合などの点で、会社側と紛争になることも少なくありません。
そのため、早期に専門家による適切な助言を受けることが重要です。
7 当事務所のサポート内容

当事務所では、労働災害を多く取り扱っているチームの弁護士が、直接、ご依頼者様のお話を丁寧にお伺いし、また、ご依頼者様にわかりやすくご説明することを心がけています。
ご相談については、初回60分までご相談料は無料です。
2回目以降のご相談料は、30分まで5000円(税別)、以後30分まで5000円(税別)になります。
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グリーンリーフ法律事務所は、設立以来35年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。
また、各分野について専門チームを設けており、専門チームの弁護士は、各担当分野について知識・経験とも豊富で、大きな強みを持っています。まずは、一度お気軽にご相談ください。
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