
【2025年12月指針改訂】学校の自殺・いじめ調査に納得できないご遺族へ。今回の改訂で、遺族には「調査結果を文書で受け取る権利」や、第三者による「詳細調査」への移行を求める権利が明確に保障されました。学校が調査を打ち切ろうとしても、安易に同意してはいけません。真実を知るため、新指針を武器に正当な対応を求めましょう。不安な場合は、専門家である弁護士にご相談ください。
学校の調査報告に納得できない遺族の方へ。

2025年12月改訂「児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の指針」で保障された「説明を求める権利」と「第三者調査」について
もし、大切なお子様を亡くされた深い悲しみの中、この記事にたどり着かれた方がいらっしゃいましたら心よりお悔やみ申し上げます。
本来、遺族の皆様は静かに祈る時間を保障されるべきです。しかし現実は、学校や教育委員会からの「いじめはなかった」「調査はこれで終わりです」という、納得しがたい報告に苦しめられるケースが後を絶ちません。
「学校が何かを隠しているのではないか?」
「なぜ、あの子が亡くならなければならなかったのか、本当のことが知りたい」
その思いは、親として当然のものです。 実は、2025年(令和7年)12月、文部科学省は「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針」を大幅に改訂しました。
これにより、これまで学校側の都合で進められがちだった調査のあり方が見直され、遺族への丁寧な説明と、詳細な調査への移行が「学校の責務」として明確化されました。
この記事では、いじめ・学校問題を専門とする弁護士が、新しい指針に基づいて「遺族が学校に何を求められるのか」を分かりやすく解説します。
1 なぜ指針が改訂されたのか?遺族が置かれてきた情報の不備(隠蔽)

これまで、子供の自殺が起きた際、学校が行う「基本調査(教員への聞き取りなど)」は、非常に簡易的なもので終わらされることが多くありました。
- 遺族への報告が「口頭」だけで、記録が渡されない。
- 「プライバシー」を盾に、情報を黒塗りにされる。
- 遺族が「もっと調べてほしい」と言っても、「これ以上は必要ない」と拒絶される。
このような情報の不備が、遺族をさらに追い詰めていました。
今回の2025年改訂は、こうした批判を重く受け止め、「調査の目的は、再発防止だけでなく、遺族の心情に寄り添い、真実を明らかにすることにある」という原点に立ち返るものです。
ここからは、具体的に皆様の権利がどう変わったのかを見ていきましょう。
新指針で保障される遺族の「3つの権利」

新しい指針では、遺族の要望を尊重することが強く求められています。特に重要なのが以下の3点です。
「基本調査」の結果を「文書」で受け取る権利
これまで曖昧にされがちだった調査結果ですが、指針では「調査結果は、遺族に文書で説明すること」が原則となりました。
口頭での説明だけでは、「言った、言わない」のトラブルになります。また、後から弁護士等の専門家に相談する際も、資料がなければ正確な判断ができません。もし学校が口頭で済ませようとした場合は、「文科省の指針に基づき、文書で回答をください」と強く求めて構いません。
納得できなければ「詳細調査(第三者委員会)」へ進む権利
これが最大の変更点といえます。
学校が行う「基本調査」の結果に納得がいかない場合、あるいは遺族が最初から第三者による調査を望む場合、教育委員会等は「詳細調査」への移行を積極的に検討しなければならない、とされました。
これまでは「基本調査で原因不明だから終了」とされがちでしたが、今後は「遺族が望むならば、より専門的で中立的な第三者委員会による調査(詳細調査)へ速やかに移行する」のが原則になります。
調査の全プロセスにおいて「定期的な説明」を受ける権利
調査結果が出るまで数ヶ月、時には1年以上待たされることもあります。
その間、音沙汰がないのは遺族にとって拷問に等しい時間です。
新指針では、調査の進捗状況(誰に聞き取りをしたか、今後どう進めるかなど)を、定期的に遺族へ共有することが求められています。
「いじめ重大事態の疑い」との関係は?調査の二重構造を正しく理解する

ここで少し専門的な話をします。「自殺背景調査」とよく混同されるのが、法律(いじめ防止対策推進法)に基づく「いじめ重大事態調査」です。
自死事案は、原則として「いじめ重大事態」の疑いで調査される
お子様が自ら命を絶たれた場合、背景にいじめがあった可能性は否定できません。
いじめ防止対策推進法(同法第28条)では、「生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑い」がある場合を「重大事態」と定義しています。
つまり、遺族が「いじめがあったかもしれない」と疑っている場合や、遺書やスマホにいじめをほのめかす痕跡がある場合は、単なる「背景調査」ではなく、法律に基づく「いじめ重大事態」としての調査を求めることができます。
「背景調査」から「いじめ調査」への切り替えポイント
文部科学省の指針でも、以下の流れが明確にされています。
- まず学校が「基本調査(背景調査)」を行う。
- その中で、わずかでも「いじめの疑い」が浮上する、または遺族がいじめ調査を申し立てる。
- 直ちに「いじめ防止対策推進法第28条」に基づく重大事態調査に切り替える。
学校側が「いじめとは断定できないので、通常の調査で済ませます」と言うことがありますが、これは法の趣旨に反します。
「疑い」がある時点で、重大事態として扱うのがルールです。
学校・教育委員会・学校法人と対峙するために~弁護士からのアドバイス~

学校や教育委員会の対応に不信感を抱いたとき、どう行動すればよいのでしょうか。
スクールロイヤーとしての経験から、2つのアドバイスをお伝えします。
初期対応で「調査終了の書面」には安易にサインしない
稀に、学校側から「一通り調べましたが、いじめはありませんでした。これで調査を終了としてよろしいですね?」と、書類へのサインを求められることがあります。これは口頭で実施されることもあります。
一度これに同意してしまうと、後から「やっぱり詳細調査をしてほしい」と訴えても、「合意の上で終了した」と反論されるリスクがあります。
納得がいかない段階、あるいは調査資料(黒塗りでないもの)を精査できていない段階では、決してサイン・同意をしないでください。
専門家(弁護士)を味方につけるメリット
悲しみの中にいる遺族が、組織である学校や教育委員会と対等に交渉するのは、精神的にも肉体的にも限界があります。
弁護士が入ることで、以下のような変化が生まれます。
- 感情論ではなく「指針」や「法律」に基づき、論理的に調査の不備を指摘できる。
- 窓口を弁護士に一本化することで、学校との直接交渉によるストレスを軽減できる。
- 第三者委員会の委員選定において、公平性を保つよう働きかけることができる。
決して一人で戦わないでください

大切なお子様を失った上に、真実を知るための戦いまで強いられることは、あまりにも過酷です。
しかし、2025年12月の指針改訂により、皆様の手には「真実を明らかにするための権利」があると考えられます。
もし、学校の対応に少しでも違和感を感じたり、「このまま終わらせたくない」と思われたりした場合は、いじめ・学校問題に詳しい弁護士にご相談ください。
私たちは、法律と最新の指針を武器に、皆様が納得できる真実へたどり着けるよう、全力でサポートいたします。 まずは、今の状況をお聞かせいただくだけでも構いません。
※記事の内容は2025年12月時点の文部科学省指針に基づいています。個別の事案については専門家へご相談ください
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