溶接機で発生する労働災害について弁護士が解説

本コラムは、溶接作業者やその家族向けに、溶接機による感電や火災等の労災リスクを解説した記事です。会社への損害賠償請求や、労災保険給付の種類と手続きについても触れていますので、弁護士へ相談するかの参考になさってください。

1 溶接機とは?

1 溶接機とは?

溶接機とは、高温や高圧を用いて、金属同士をつなぎ合わせるための機械です。

ボルトを締めたりするのとは異なり、金属自体を溶かして接続するため、接合部が強くなるという特徴があります。

たとえば、アーク溶接機では、電気を用いて熱で金属を溶かし、その後冷えることで、強力に接合されます。

溶接機はさまざまな場面で使われています。

身近なところでは家具や自宅で使われ、また、巨大建造物ではビルや橋、自動車、鉄道などでも使われています。

2 溶接機で多発する事故類型

2 溶接機で多発する事故類型

溶接機より発生する事故類型としては、例えば、以下のようなものがあります。

①感電事故

溶接機の電源を切らないまま触れてしまったり、身体が濡れている状態で触ることにより、感電してしまうことがあります。

②火による事故

溶接中に飛散する火花は、非常に高温になります。

その火花が触れることで、やけどなどのケガをすることがあります。

また、火花が周囲の可燃物や可燃性ガスに引火することで、火災や爆発といった事故が起こる可能性もあります。

③光線や粉じんによる健康被害

溶接のときに発生する光線を長時間見ることで、眼の角膜を痛めることがあります。

また、溶接の際に細かな金属の粒子が飛散し、それを吸い込むことで、呼吸器系の疾患にかかることがあります。

3 溶接機で発生する労働災害の現状

3 溶接機で発生する労働災害の現状

溶接機は、身近なところから大型建造物まで、幅広く利用されています。

また、溶接により、金属を強力に接合することができる、非常に有用な機械です。

しかしながら、高温な機械であることや、光線、粉じんなどにより、事故の態様によっては、重傷を負ったり、死亡事故が起こることもあります。

4 労働安全衛生法・民法715条(使用者責任)

4 労働安全衛生法・民法715条(使用者責任)

労働安全衛生法とは、労働基準法とともに、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化、自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする法律です(同法1条)。

会社側に労働安全衛生法違反が認められるような場合には、不法行為に基づく損害賠償を請求することができます。

また、他の従業員の過失により事故に巻き込まれてしまった場合には、その従業員のみならず、会社に対しても使用者責任(民法715条)に基づいて損害賠償を請求することができます。

この請求権により、事故を起こしてしまった従業員に資力が無い(賠償金を支払う経済的な余力が無い)場合であっても、会社側に賠償してもらうことで、被害の救済を図ることができます。

5 労災保険給付と会社への損害賠償を並行して請求する方法

5 労災保険給付と会社への損害賠償を並行して請求する方法

⑴労災保険で受け取ることができる給付の種類

以下は、労災保険で受け取ることができる給付の一例です。

①療養(補償)給付

労災病院や労災指定病院等を受診・治療する場合には、当該病院に「療養(補償)給付たる療養の給付請求書」を提出し、請求します。

それ以外の医療機関を利用して受診・治療した場合には、費用を立て替えた上で、労働基準監督署に「療養(補償)給付たる療養の費用請求書」を提出し、請求します。

例えば、治療費や薬代、器具の費用、施術費用などが給付の対象になります。

②休業(補償)給付

労働基準監督署に「休業(補償)給付支給請求書」を提出し、請求します。

③障害(補償)給付

労働基準監督署に「障害(補償)給付支給請求書」を提出し、請求します。

④傷病(補償)年金

労働基準監督署が職権で行うため、請求は必要ありません。

⑤介護(補償)給付

労働基準監督署に「介護(補償)給付支給請求書」を提出し、請求します。

⑵会社に対する損害賠償請求

例えば、休業損害の一部や通院慰謝料や後遺障害慰謝料については労災からは支給されないように、労災給付は十分な補償とは言えません。

そのため、労災から給付されない部分については、会社への損害賠償請求を検討することになります。

その際には、前記の「4 労働安全衛生法・民法715条(使用者責任)」の内容などを中心に検討することになります。

6 弁護士に依頼するメリット

6 弁護士に依頼するメリット

労災事故において、特に大きな事故に遭ったり、病気になってしまった場合には、生活が一変します。

一方で、労災給付の額は、非常に大きくなる可能性があります。

また、会社に対しても、多額の損害賠償請求をすることができる可能性もあります。

もっとも、たとえば逸失利益や過失割合などの点で、会社側と紛争になることも少なくありません。

そのため、早期に専門家による適切な助言を受けることが重要です。

7 当事務所のサポート内容

当事務所では、労働災害を多く取り扱っているチームの弁護士が、直接、ご依頼者様のお話を丁寧にお伺いし、また、ご依頼者様にわかりやすくご説明することを心がけています。

ご相談については、初回60分までご相談料は無料です。

2回目以降のご相談料は、30分まで5000円(税別)、以後30分まで5000円(税別)になります。

さらに、事案によっては、着手金無料でお受けしております。

グリーンリーフ法律事務所は、設立以来35年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。

また、各分野について専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。

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■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 赤木 誠治

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