個人再生委員とは何者?選任の条件・役割などを基本から解説

こんにちは。弁護士法人グリーンリーフ法律事務所の弁護士 渡邉千晃です。

個人再生委員とは、裁判所の補助役として申立人の収入や財産、再生計画の適正性を調査し、意見を提出する専門家(弁護士)です。弁護士を代理人に立てた場合には選任されないケースも多い一方で、申立人の収支が不安定、財産の整理が困難、再生計画の履行に疑義がある場合には選任されやすくなります。選任されると15万円程度の予納金や面談が発生するため、その負担感と役割を知っておくことが重要といえます。そこで、本コラムでは、個人再生委員の役割や選任されるケースなどを具体的に解説いたします。

個人再生手続とは何か?

個人再生手続とは何か?

個人再生とは、「個人再生手続」と呼ばれる制度で、簡単にいうと、経済的に困難な状況にある多重債務者が、裁判所の認可を得て「借金を大幅に減額」し、その後、約3年間(最長5年)で「分割返済」を行うことによって、残りの債務の支払い義務が免除される手続です。

また、住宅ローン債務を抱える方に配慮した「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」もあり、この特則を使えば、大切な自宅を手放さずに手続きを進めることも可能です。

「個人再生委員」とは何者か?

「個人再生委員」とは何者か?

個人再生委員は、簡単にいうと、申立人(債務者)の収入・財産を調査し、再生計画の妥当性を判断するために選任される、裁判所の補佐役です。選任される弁護士は、その裁判所の地域内にある法律事務所から任命されることが一般的です。

具体的な役割

個人再生委員は、申立書に記載された債務者本人の財産・収入・債務について、内容に不備がなく正確かどうか、また、偽りがないかなど、詳細に精査します。

また、個人再生委員は、申立人の再生計画案が現実的かつ履行可能かどうか、および、その改善ポイント等を裁判所に意見書として報告します。

さらに、申立人は、個人再生委員の預り口口座に、弁済予定額と同額程度を毎月積み立てることになるため、個人再生委員は、申立人の返済能力を測り、計画通り返済できるか支払状況を確認することができます。

なお、個人再生委員が選任された場合、さいたま地方裁判所においては、15万円程度の予納金を負担する必要があります。

個人再生委員が選任されるケースとは?

個人再生委員が選任されるケースとは?

埼玉で個人再生委員が選任される傾向があるのは、“複雑な事情がある場合”です。

弁護士が代理人として申立てを行う場合は、個人再生委員が選任されないことが多いように思われますが、もっとも、申立人において、「収入が不安定である」、「財産関係が複雑である」、「履行能力に疑問がある」などのケースでは裁判所が再生委員の選任を求める傾向があります。

上記のとおり、個人再生委員は、裁判所の代わりに申立書内容や財産・収支の確認を行う“監督者”として機能します。そのため、再生手続の適正性や履行可能性を慎重に判断する必要がある案件では、選ばれやすいといえます。

また、特に、個人事業主や私的財産の把握が難しい人、住宅ローン特則を適用する場合などは、再生計画案の適法性を確認するため、再生委員の助言が有効と判断される傾向にあります。

個人再生委員が選任される具体的なケースと申立人代理人の役割

さいたま地方裁判所においては、①申立人が退職金や不動産、保険などを保持しており、財産調査の必要性がある場合、②申立人の履行可能性に疑義がある場合、③申立てについて説明や資料が不足しているなど、申立てが不十分な場合、などのケースで個人再生委員が選任される傾向にあります。

個人再生委員が選任されるのをできるだけ回避するためには、申立人においては、手続に真摯に向き合い努力すること、また、申立人代理人においては、正確な資料を作成し、申立てに疑義が生じないように努力をする必要があります。

個人再生を弁護士に相談すべき理由

個人再生を弁護士に相談すべき理由

弁護士を申立人代理人とすることで、申立書類を緻密に作成することが出来ることはもちろん、裁判所の懸念を事前に解消することで個人再生委員が選任されるおそれを少しでも減らすことができるといえます。

また、債務整理に精通した弁護士に相談することで、個人再生だけでなく、自己破産や任意整理の方法なども検討することができるため、自身に合った最適な債務整理の方法が見つかるといえます。

まとめ

まとめ

個人再生を申立てた場合、個人再生委員が選任される場合がありますが、個人再生に精通した弁護士に申し立てを依頼することで、個人再生委員が選任される可能性を少しでも減らすことが出来ると考えられます。

この点、グリーンリーフ法律事務所では、個人再生の申立てに精通した弁護士が多く在席しているため、お困りの際は、ぜひ一度ご相談されることをお勧めいたします。

【無料相談実施中】まずは専門家にご相談を!

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適切なアドバイスを受けることで、安心して問題を解決する道筋が見つかります。

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■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 渡邉 千晃

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