破産管財人とは?〜どんな仕事をする人?〜

自己破産手続を行う場合でも、破産管財人が選任されない、いわゆる同時廃止という手続きと、破産管財人が選任される手続きがあります。破産管財人が選任された場合、破産管財人はどのようなことをするのでしょうか。

破産管財人とは?〜どんな仕事をする人?〜

破産管財人とは?〜どんな仕事をする人?〜

1 破産手続き

支払い不能又は債務超過となり、破産をする場合裁判所に自己破産手続きの申立てをします。

自己破産手続きの申立てをして、裁判所が破産手続開始決定を行うと、破産手続きが開始されます。

そして、破産手続きが開始されると、破産者(債務者)の財産は、破産管財人に帰属し、破産管財人はその財産を管理したり、換価(処分)します。また、債権者の破産者に対する債権を調査して確定した債権に対して配当を行います。

破産(破産の申立て)手続きでは、このような手続きが行われていきます。

2 破産管財人とは

破産管財人とは

破産管財人とは、破産手続きにおいて、破産財団(すなわち、破産者の財産)を管理し処分する権利を有する者(破産法2条12項)のことをいいます。

破産法2条12項
この法律において「破産管財人」とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。

つまり、まさに破産者の財産の処分、換価をして、債権を調査して、配当をし、破産者の法律関係を清算していくという、破産手続きを進めるための重要な役割を担う者となります。

3 破産管財人はどのように選任されるのか?

破産管財人はどのように選任されるのか?

破産管財人は、裁判所が破産管財人を選任します(破産法31条1項柱書、74条1項)。

破産管財人は、管財人として、財産の管理や換価処分、債権の調査、配当などの管財業務を行わないといけませんから、法的知識が必要になり、弁護士が選任されることがほとんどです。

選任される弁護士としては、申立てをした裁判所の地域で活動をしている弁護士となる場合がほとんどです。

破産管財人は、裁判所が選任をする者(多くの場合、弁護士)ですから、破産者が選べる者ではありません。

破産の申立てをする場合に、弁護士に依頼をして申立てを行うことが多いと思いますが、申立てをする弁護士は、もちろん、破産をする方が依頼をしますから、自由に選択(選任)することができます。

しかし、破産管財人は申立人である破産者の代理人とは別の立場の人ですから、破産者が選ぶものではありません。

4 破産管財人は何をするのか?

破産管財人は何をするのか?

それでは、破産管財人は何をするのでしょうか。

破産管財人は、公平・中立に手続きを進ませなければなりません。

破産管財人としては、大きく債権者の利益のためにする職務と、債務者の利益のためにするものと分けることができるでしょう。

債権者の利益のためにする職務としては、破産者の財産を公平に分配(配当)をすることになります。

そのために行うこととしては、債権者に配当をすることの基礎になる破産者の財産(破産者が自由に処分可能とされる自由財産を除きます)である破産財団を作ることになります。

具体的には、破産者が自由に財産を処分しないように財産を管理することや、配当に回せるような財産がある場合には、その財産を適正に処分をすることなどです。

そのほか、例えば、破産者が債権者を害する行為を破産をする前に行なってしまっていた場合には、その行為を否認したり(否認権の行使)、契約関係の整理をしたり、訴訟を行ったりします。

そのほかにも、債権者を確定して、誰にいくら配当をするかなども決めたりします。

他方、債務者の利益のためにする職務としては、例えば、破産者の生活にとって意味のある財産などについては、債権者の利益を害さないということを前提とした上で、管理処分権を放棄(破産者の方のものにする)ということも行います。

例えば、保険の解約返戻金も財産になりますが、少額である場合などには、保険契約の継続を可能とすることなどもあります(※必ず保険契約の継続が可能となるわけではありませんので、ご注意ください。)

また、破産手続きが終了した後、免責手続き(債務をなしにする手続きです)が行われることになりますが、この免責続きてにおいて、免責不許可事由(免責不許可事由については別ページをご覧ください)があるか、免責許可決定が適当かという報告や、意見陳述もすることになります。

5 破産管財人が選任された場合の郵便物の転送

破産管財人が選任された場合の郵便物の転送

破産管財人は、その職務を遂行するために、郵便物等の管理をすることができます。

そのため、破産管財人が選任されると、破産者の方へ送られる郵便物はすべて、管財人に転送されてしまいます。

これは、郵便物等から債権者のもれがないかを確認したり、財産を隠していないかを把握するためにも有用になります。

もちろん、破産管財人に転送されても不必要な書類は戻ってきますから、問題ないです。

ただ、郵便物が来ない、郵便物を管財人の弁護士の事務所まで取りに行くなど、少し手間はあるかもしれません。

しかし、破産をするために必要な手続きですから、やむを得ないと考えられます。

6 まとめ

破産管財人まとめ

破産管財人はどのような人なのか、破産管財人が選任されると破産できないのか、など考えられている方もいるかもしれませんが、破産管財人は裁判所が選任した者です。

公平な立場にいる人です。債権者の利益のために行わないといけない業務もありますし、破産手続きにおいて行われる業務だけでなく、破産者の生活の再建のためを検討してくれる方でもあります。また、免責手続に関する意見を述べる立場でもあります。

そのため、時には厳しいことも言われることもあるかもしれません。

しかし、それは、経済的なやり直しをするために必要なことだと思われますから、破産管財人の方の指示にはきちんと従い、破産手続きを進めていくことが必要になってくると思われます。

※破産者は、破産管財人の業務(免責に関する調査)に協力しなければならない義務もあります。

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■この記事を監修した弁護士
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
代表・弁護士 森田 茂夫
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