Aさんは、Bさんに土地を長年貸していました。しかし、借地上にあったBさんの家は、失火により燃えてしまい、その事故でBさんも亡くなってしまいました。これを機に土地の賃貸借契約を終了させたいと考えたAさんでしたが、借地権は相続の対象となる権利ですので、賃貸借契約は、Bさんの相続人に引き継がれることになってしまいます。しかし、AさんはそもそもBさんに相続人がいるのか、いたとしてもどこの誰なのかすら、まったく知りませんでした。
そこでAさんは、弁護士に依頼し、Bさんの相続人を探し、契約の解除を求め、本件土地の明渡しをするように求めることにしたのです。
弁護士の調査によりBさんの相続人である一人息子Cさんの存在が判明し、弁護士から、①賃貸借契約を解除したい、②任意に土地の明渡しをしてほしいということを伝え、応じてくれない場合には訴訟になるリスクもお伝えしたところ、Cさんはこの要求に応じ、契約の解除を認めた上、借地上のBの財産を全て放棄してAさんに処分を委ねる旨の覚書を提出し、明渡し完了・事件解決となりました。