弁護士 申  景秀

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。弁護士の申景秀です。
マスコミ報道で、「被告」「容疑者」という言葉を聞いたことありますでしょうか。実は、これらは、マスコミ用語であって、正確な法律用語ではありません。
例えば、「容疑者」。マスコミでは、逮捕されてから、起訴されるまでの人を指して使われています。しかし、法律用語では、「被疑者」と言います。
「被告」はどうでしょうか。よく、「●●被告の殺人事件の裁判が・・・」という報道を見ますね。これは、起訴された後の人を指して使われているようです。
しかし、法律用語では、「被告」とは、民事訴訟において、訴えを起こされた者をいいます。「原告」は、訴えを起こした人ですね。そして、法律用語では、刑事事件で、起訴されたものは、「被告人」と呼ばれます。
 なぜ、マスコミが、法律的には正確ではない「被告」という言葉を使っているのかはわかりませんが、以前マスコミの方に聞いてみたところ、「間違っているのは認識しているが、マスコミの中で昔から用語は統一されていたので・・・」という事でした。
 よく、民事事件で「被告」と言われて怒る方がいらっしゃいますが、法律用語の「被告」は、前述の通り、別に悪い意味ではないのです。
他に、マスコミ用語では、「書類送検」などよく聞きますね。これについては、次回ブログで解説をしたいと思います。