弁護士 吉田 竜二
先日、弁護士会のセクハラ研修というものに参加してきました。
新規登録者は義務的参加とされています。弁護士会としても、セクハラの防止には力を入れているようです(セクハラを糾弾する側となりうる者の団体としては、当然ということになりますが)。
セクハラとは、相手の意に反する不快な性的言動をいうとされています。
セクハラに当たるか否かは、言動を受ける側(被害者)にとって「不快な性的言動」であるか否かにより判断されますが、「不快な性的言動」であるか否かについても、それを受ける側の基準で判断されます。
言動の送り手側の意図はセクハラの判断基準とは関係がありませんので、「そんなつもりで言ったわけでは…」という弁解は通らないということになります。
また、男性に対する行為についてもセクハラに該当する可能性があります。
弁護士会の定めるセクハラの防止に関する指針の中には、セクハラになりうる言動として様々な例があがっているのですが、その中にはこんなものも含まれます。
・「男のくせに性根がない」、「女性には職場の花でいてほしい」などと発言すること
・「男の子、女の子」、「おまえ、僕、坊や、お嬢さん」、「おじさん、おばさん」、「じじい、ばばあ」などと失礼な言い方で他人を呼ぶこと
・酒席で、女性の勤務者の座席を男性の上司の隣に指定したり、お酌やダンスを強要すること
近年、セクハラに対する意識が高まっていますので、あらゆる言動がセクハラになりうる状況にあり、以前は許されていた言動についても、突如セクハラとの指摘を受ける場合も容易に想像できます。
これまでセクハラとの指摘を受けたことがないという方も、寛容な人が周りに多かっただけということもありますので、一度ご自身の言動を省みてはいかがでしょうか。