弁護士 相川 一ゑ
    
ドラマなどでよく出てくる弁護士は、主に2タイプ。
一つは、献身的に依頼者の話を聞いて、信じられない程に一つ一つの事件で丁寧に対処し、不利だと思われた事件をもひっくり返
す熱血タイプ。

もう一つは、依頼者のために平気で嘘をつき、法外な弁護士費用をふんだくる悪徳弁護士タイプ。

皆さんの中には、もしかして「弁護士は平気で嘘をつく」と思っていらっしゃる方もいるかもしれません。
しかし、私が今までに見てきた弁護士ですと、前者に近い肩は少なからず実在するものの、後者に近いという方は見たことがありません。

弁護士は、依頼者の利益を第一にしなければならない義務があるのと同時に、真実を追求すべき義務も課されています。
むろん、依頼者が弁護士にも嘘をつき、弁護士もその話を鵜呑みにして騙されてしまう、というケースもあるかもしれません。
また、依頼者が「どうしても嘘をついて欲しい」などと頼んで来ることもあるのかもしれません。

しかし、そうなると結局裁判は嘘に基づいて審理ことになります。弁護士法第1条でも「社会正義の実現を使命とする」と定められている弁護士としても、このような結論を許すことはできません。

そのようなわけで、弁護士としては依頼者や相談者の方に「嘘をついてください」と言われれば、そのようなお願いはお断りをするしかありません。
世の中には色々な弁護士の方がいらっしゃるでしょうが、少なくとも私は、真実を前提としても、民事であれば「和解の道を見出す」、刑事であれば「他の良い事情を強調する」などして、なるべく良い方向に持って行こうとするのが、弁護士の仕事だと考えています。