
裁判所から支払督促の通知が届いてもなお、「今は手元にお金がないし、後で考えよう」と放置してしまうと、最悪の場合、ある日突然銀行口座が凍結されたり、給料が差し押さえられたりといった事態に陥ってします可能があります。
本コラムでは、弁護士の立場から、支払督促が届いた際のリスク、法的なタイムリミット、そして生活を守るための具体的な解決策について詳しく解説します。
そもそも支払督促とは何か?

支払督促(しはいとくそく)とは、債権者(お金を貸した側)が裁判所を通じて、簡易的な手続きで債務者に対し「お金を返せ」と公的に請求する手続をいいます。
通常、裁判で勝訴するには数ヶ月の時間がかかりますが、支払督促は債権者の申し立て内容のみを審査し判断が出されます。
つまり、債務者側の言い分を聞く前に、裁判所が「とりあえず支払え」という命令を出す、非常にスピーディーな制度なのです。
支払督促が届いてから一定期間放置すると、その書類は「確定判決」と同等の法的効力を持ちます。
これは、債権者が債務者の財産を差し押さえるための「債務名義」を手に入れることを意味します。
支払督促が持つタイムリミット

支払督促には、非常にシビアな期限が設定されています。
第1ステップ:最初の2週間
支払督促が自宅に届いた日(受け取った日)から、2週間以内が勝負です。
考えられる対応として、「督促異議申立書」を裁判所に提出する方法があります。
仮に、支払督促が届いた後これを放置した場合:、債権者が「仮執行宣言」の申立をできるようになります。
第2ステップ:仮執行宣言付支払督促
最初の2週間を過ぎると、今度は「仮執行宣言付支払督促」という書類が届きます。
これが届いてから2週間以内に異議を申し立てない場合、手続きが完全に確定し、翌日からはいつ資産に対する差し押さえが起きてもおかしくない状態になります。
放置した場合に起こりうる差し押さえ

差押えの対象は下記のものがあります。
① 給与
債権者が債務者の勤務先を把握している場合、裁判所から会社に通知が届きます。
原則として、手取り給与の4分の1が、借金の完済まで強制的に天引きされ続けます。
② 預貯金
銀行口座が特定されると、口座残高が強制的に引き落とされます。
③ 遅延損害金の雪だるま式増加
借金を滞納すると、本来の利息よりもはるかに高い「遅延損害金」が発生します。
届いたらすぐやるべき「3つの行動」

支払督促が届いたからといって、絶望する必要はありません。
ただし、行動は「今すぐ」である必要があります。
以下では、すぐ行うべき行動について解説いたします。
行動1:書類の中身を確認する
まずは「どこの簡易裁判所から」、「誰が」送ってきたものかを確認してください。本物の裁判所からの書類であれば、無視は厳禁です。
行動2:「督促異議申立書」を出す
書類に同封されている「督促異議申立書」に必要事項を記入し、裁判所に提出します。
これを出せば、手続きは「通常訴訟(裁判)」に切り替わり、一旦の強制執行(差し押さえ)はストップできます。
もっとも、異議を出すだけでは解決しません。
異議を出すことで、裁判所で話し合うことになりますが、結局「借金がある事実」は変わらないため、そのままではいずれ負けて差し押さえられます。
行動3:弁護士に相談する
異議を出すのはあくまで「時間稼ぎ」です。
その稼いだ時間の間に、「借金そのものをどう整理するか(債務整理)」を弁護士と決めることをおすすめします。
弁護士に依頼するメリット

支払督促が届いた状態は、いわば「法的な緊急事態」です。
弁護士が介入することで、以下のような劇的な変化が起こります。
① 債権者からの直接連絡が止まる
弁護士が受任通知を送った瞬間、法律により債権者は債務者に直接連絡したり、取り立てたりすることができなくなります。
② 最適な「解決策」を提示してくれる
借金問題の解決(債務整理)には、大きく分けて3つの方法があります。
| 解決方法 | 内容 | メリット |
| 任意整理 | 弁護士が業者と交渉し、将来の利息をカットして元金だけを分割で返す方法。 | 誰にも知られず、返済計画が立てられる。 |
| 個人再生 | 裁判所に申し立て、借金を原則5分の1程度に減額してもらう方法。 | 住宅ローンがある場合、家を捨てずに借金を大幅に減らせる。 |
| 自己破産 | 裁判所に認められれば、全ての借金の支払い義務が免除される方法。 | 借金がゼロになり、完全にゼロから人生をやり直せる。 |
③ 差し押さえの停止・回避
すでに「仮執行宣言」が出されて差し押さえ寸前であっても、弁護士が介入して「自己破産」や「個人再生」を申し立てることで、差し押さえを止めたり、失効させたりすることが可能です。
まとめ

裁判所からの支払督促は、「最終警告」を意味します。
しかし、裏を返せば、「これを機に借金問題を根本から解決する」決断をする機会を得ることができたともいえます。
多くの相談者様が、「もっと早く相談すればよかった。そうすれば、こんなに怯えて暮らす必要はなかったのに」と仰います。
期限の2週間が過ぎる前にまずは弁護士にご相談ください。
グリーンリーフ法律事務所は、設立以来35年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。 企業が直面する様々な法律問題については、各分野を専門に担当する弁護士が対応し、契約書の添削も特定の弁護士が行います。企業法務を得意とする法律事務所をお探しの場合、ぜひ、当事務所との顧問契約をご検討ください。





