少し以前ですが、平成26年6月20日に、「会社法の一部を改正する法律」(以下「改正法」。)が成立し、平成27年5月1日から施行されました。

この改正法では、会社法制定前からその必要性が指摘されていた「親子会社に関する規律の整備」が、新たに加えられることになり、「最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え」ができることになりました。

これまで、持株会社や完全親子会社による企業グループにおいて、完全親会社の取締役との人間関係や仲間意識から、おろそかになりがちであった「完全子会社の取締役等への責任追及」が、「完全親会社の株主の保護」という趣旨から、同株主により提訴請求できるように改正されました。

この提訴請求の要件は、大まかにいえば①持株要件等、②図利加害目的でないこと等、③重要な完全子会社といえること、④責任追及の対象となる完全子会社の取締役の範囲内であること といったものになります。

このような新たな手続の創設を含む会社法改正により、日本企業に対する内外の投資家からの信頼性向上・投資の促進がなされ、結果として日本経済の成長に寄与することが期待されています。