労働事件に携わっている中で、様々な理由から「最低賃金に違反している」という主張をしたりされたりすることがあります。

埼玉県の最低賃金は、令和3年10月1日から時間額956円(引上げ額28円)に改定されました。

ふと、自分が学生時代のことを思ってみると、時給750円くらいで働いていた気がします。
最高でも850円くらいだったと思います。
もしかしたら、当時は最低賃金以下でアルバイトをしていたかもしれません・・・

いずれにせよ、適正水準まで賃金があがることは経済にとって良いことであると思いますし、物価も上がってきているので(最近ですと小麦やガソリンが高騰)必然的に賃金があがらないと生活が厳しくなります。

なお、ニューヨークの最低賃金は日本円で約1700円とのことですが、その分物価も高いです。アメリカのビックマックは、日本円にして約669円だそうです(日本は390円)。
イギリスの経済専門誌『エコノミスト』が、ビックマック指数というものを発表しており、ビックマックの価格で各国の経済力を測っているそうです。

日本政府は、2021年に「早期に全国加重平均1000円とすることを目指す」とのことでしたが、実現までにはまだかかりそうです。

ちなみに、東京都と神奈川県は1000円を超えています(全国1位・2位)。3位は大阪で、埼玉県は4位だそうです。

最低賃金に関して、埼玉弁護士会ではたびたび声明をだしております。

気になる方は以下ご覧ください。

(抜粋)
「最低賃金法が定める「労働者の生活の安定」及び「労働力の質的向上」を達成し,さらには深刻化している貧困と格差の拡大の問題を解決するため,最低賃金の大幅な引き上げを求めてきた(2016年10月12日付・2018年6月19日付・2020年7月8日付「最低賃金の大幅な引き上げを求める会長声明」)。」

「当会は,本年の最低賃金改定額の決定にあたり,中央最低賃金審議会,埼玉地方最低賃金審議会及び埼玉労働局長に対し,最低賃金額を大幅に引き上げ,少なくとも1000円以上とする答申・決定をするよう求めるとともに,国に対し,中小企業への充分な支援策と共に,最低賃金法の改正を含めた全国一律最低賃金制度の実施を可及的速やかに検討するよう求めるものである。」

全文はこちらから
最低賃金の大幅な引き上げと全国一律最低賃金制度の実施を求める会長声明

申景秀