保佐人が被保佐人の財産管理を行い、財産の散逸を止めた事例

父には、長男、次男、長女、次女の4人の子供がいました。
その中で、長男と次男は、父の土地と建物を利用して(土地の上にビルを建て、テナントとして第三者に貸していました)、不動産管理をしようと考えていました。
ところが、長女と次女は、以前に、父の不動産を勝手に処分されてしまったことに危機感を感じていました。
父は、最近、長男、次男のいいなりになってしまうことが多く、記憶力も相当に落ちてきたことから、長女と次女は、成年後見の申し立てをしたいと相談に来られました。
家庭裁判所に、成年後見申し立てをする前に、必要な書類があり、医師の診断書を取ってもらいました。
そのうえで成年後見申し立てをしたところ、裁判所は、長女と次女の面談を行いました。
また、後日、施設に入居して父とも面談を行い、裁判所から保佐開始の決定が出されました。
そのときに、兄弟と姉妹で争いがあるため、保佐人には弁護士が選任されました。
その後は、保佐人の弁護士が、父の財産を管理し、兄弟の勝手な財産処分を止めることが出来ました。


親族間に厳しい対立があった状況で、成年後見人が選任された事例

父には、息子と娘がいました。
また、父には自宅、預貯金などありましたが、父は痴呆状態でした。
息子は、娘に相談なしに父を施設に入れ、ときどき父の自宅に戻っていました。
そのような状態の中で、娘が、父について成年後見開始の申立てを行い、裁判所での鑑定を経て、弁護士が成年後見人に選任されました。
通常は、親族が成年後見人に選任されることが多いのですが、今回の場合、息子と娘の対立が激しかったため、第三者である弁護士が成年後見人に選任されたものです。
成年後見人は、まず、息子と娘が持っている資料(父の預金通帳、印鑑など)を受領しました。
息子、娘とも、相手方が父の財産を勝手に使っているので調査してほしい、と成年後見人に言うので調査をしましたが、とくに不正なことは出てきませんでした。
息子が、自分で探し父を入れた施設から、父を強引に連れ出そうとして、施設が警察を呼ぶ騒ぎになりました。
その後、その施設から出てほしいといわれ、成年後見人は他の施設を探して、そこに父を移しました。
1年位して、息子、娘の対立の一段落し、その後は、本人との面談、収入・支出の管理、裁判所への報告などの、成年後見人の日常的な作業が主になりました。
何年かして、父が亡くなったので、関係書類を相続人に引き渡し、成年後見人の仕事は終了になりました。


相続対策のため、マンションを建設する目的で成年後見申立てをした例

Aさんには、父と姉2人がいました。
父は、先祖代々の土地、その他の財産を所有していましたが、Aさんは、父の相続対策のために、父の土地に、父名義のマンションを建てようと計画をしました。
しかし、金融機関は父の意思確認(マンションを建てるためにお金を借りるという意思を、本当に父が持っているかどうかの確認)ができなければ、お金を貸してはくれません。
また、建設会社とマンション請負契約をするにも、また、完成したマンションの登記をするにも、父が本当にそのような意思をもっているかどうかを、建設会社や(登記をする)司法書士が確認することが必要になります。
ところが、この当時、父は、認知症が進行していて、そのような意思確認ができない状態にありました。
このままではマンション建設の計画が前に進みません。
そこで、Aさんは、成年後見人の候補者をAさん自身として、家庭裁判所に成年後見開始の申立てをしました。
この申立ての場合、父の認知症が進行している旨の診断書があったことと、親族間での争いもなかったことから、裁判所で鑑定を行うこともなく、成年後見開始決定が出て、Aさんが、父の成年後見人になりました。
そして、Aさんは、父の成年後見人として(つまり父の代理人として)、金融機関との金銭消費貸借契約、建設会社とのマンション建設請負契約をし、また、マンション完成後は、司法書士に依頼をしてマンションの登記をすることができました。

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