パチンコ攻略情報購入費用の6割の返還をしてもらった事例

スポーツ新聞に掲載されていたパチンコ攻略情報を購入し、パチンコ店で、その攻略法どおりに実践してみましたが、説明どおりの当たりが出なかったため、会費や情報料名目の100万円の返還を求めた事案です。
パチンコ攻略情報の購入者は、業者から、必ず儲かるとの言葉を信じて、最初に50万円を支払いました。
しかし、業者から提供された情報どおりにパチンコを打っても、当たりが出なかったため、業者に問い合わせたところ、業者は、上級会員になれば、確実に当たりが出ると勧誘し、追加の会費を求めてきました。
そして、その業者の言葉を信じ、さらに50万円の追加料金を支払って、新たな攻略情報の提供を受けましたが、結局は、業者の言うような当たりは出ませんでした。
この事案では、業者が、当たりが偶然に左右されるパチンコについて、必ず儲かるという断定的な判断を提供して勧誘したので、購入者(消費者)は、消費者契約法4条1項2号に基づく、契約の取消しを主張しました。
結局、業者の資力を考慮して、購入者が支払った料金の6割を返還するという和解が成立し、決着しました。


先物取引に伴う損害賠償訴訟

Iさんは専業主婦でしたが、委託業者から勧誘されて先物取引を行い、700万円弱の損失を被ってしまいました。そこで、Iさんは、委託業者に対し、取引中の説明義務違反などを理由に損害賠償請求訴訟を起こしました。
この委託業者は、取引の中で、Iさんの全体の売建て玉と買建て玉との差に対向して、業者自身の自己玉を建てており、いわゆる「差玉向かい」の手法が取られていました(委託玉の約1割から3割のみを立会に出し、差玉の約9割から7割について対当する自己玉を建てていました)。
この「差玉向かい」がなされると、委託玉と自己玉とが対当する部分について、一方が利益となれば一方が損失となるという意味で、業者と委託者(注文者)の間に利益相反の関係が生じるため、その違法性が問題となりました。
1審、控訴審は、「業者が差玉向かいによって資金管理することも一応の合理性を有するため違法とまではいえない」と判断しました(Iさんの請求は認められませんでした)。
しかし、その後の最高裁は、上記のように一方が利益となれば一方が損失となるという側面を指摘し、業者は委託者に対して差玉向かいを行っていること等の説明義務・通知義務を負うと判断して、事件を高裁に差し戻しました。これにより、専門的知識を有しないIさんのような委託者との関係では、事実上、「差玉向かい」を許さないという裁判所の態度が明らかにされたのです。


騙されて払った祈祷料、壺の購入代金を取り戻した事例

Aさんは、家族関係に悩みがあり、知人に勧められて、ある宗教団体の人Bさんに相談をしました。
Bさんは、Aさんの悩みを真剣に聞き、アドバイスしてくれた後、もし、家族関係の悩みが解消しないようなら、宗教団体の本山で祈祷をしてもらうとよいと言いました。
その後も、Aさんの悩みは解消しなかったため、Aさんは、宗教団体の本山で祈祷をしてもらいました。
その時、祈祷師が言うには、「Aさんの祖先に悪行をした人がいて、その悪行をした人の霊界での苦しみが、Aさんの苦しみの原因になっている。祈祷を続けていき、その悪行をした祖先の苦しみを救う必要がある」とのことでした。
そこで、Aさんは祈祷を続けていったのですが、最初は、数千円だった祈祷料が、そのうち、数万円、数十万円になり、Aさんの出費は何百万円にもなっていきました。
また、家の中心に霊験のある壺を置くとよいと勧められ、何百万円もする壺を購入してしまいました。
そんなAさんを心配したCさんは、Aさんを弁護士のところに連れて行き、今後、どうしたらいいのか相談しました。
弁護士は、これは、霊視・霊感商法といわれるものの一つで、暴利行為による公序良俗違反、錯誤、詐欺・脅迫による取消しなどの主張をして、支払った代金の返還を要求した方がよいとのことでした。
Aさんも、自分が騙されていたということに気付き、弁護士に依頼をして、代金の返還を求めることにしました。
弁護士は、その宗教団体に対して、代金の返還を求める内容証明郵便を出し、その後、その宗教団体と交渉をして、代金のほとんどを取り戻すことができました。
いつもこのようにいくとは限らず、訴訟をしなければならないこともあるのですが、人の弱みに付け込むこのような霊視・霊感商法には注意をしたいものです。


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