弁護士 田中 智美



春の交通安全運動が実施されるが怖い、今日この頃です。

交通事故の交渉・裁判でも、有力な証拠となるドライブレコーダー。
知り合いの弁護士から勧められ、私も2年程前から愛車にドライブレコーダーを付けています。
取り付けた当初は、常時録画モードにして自分の走行を録画し、楽しんでいたのですが、取扱説明書を読んでみると、「常時録画モードは、中の記録媒体に負担をかけ、寿命が短くなるので、あまりお勧めできません」といったようなことが書かれていました。
そこで、事故時のみ、車体の振動を感知して録画するモードに切り替えてみたのですが・・・。

近所をちょっと走ってきただけなのに、レコーダーの中の事故録画(60件)がすでにいっぱいになっている。
これいかに?・・・と首を捻るまでもなく、「そうか、私の車は普通の路面を普通に走っていてもガタガタするから、それが事故の衝撃と勘違いされてしまうのか」ということで、また取扱説明書を引っ張り出してきて、全方向の衝撃感度(縦方向、横方向、前後方向等、それぞれ別々に衝撃感度を設定できる)を、最も感知しにくい値に設定し直しました。

「ようし!これで感知されないぞ」
上機嫌で走り出します。
マンホールを踏んでも、感知しない。
お店に入るために歩道の段差を乗り越えても、感知しない。
予期せぬ路上の穴ぼこにも、おお、ギリギリセーフか、感知しない。
・・・で、ここでお約束のようにはたと気付くわけです。
「この状態だと、本当に事故に遭った時にも感知されず、録画されないのでは?」
そう。
これを、ドライブレコーダーを付けた意味がない状態と言います。

ちなみに、このドライブレコーダーなるもの、画像と一緒にその時の車内の音もはっきり録音されるのですね。
万一事故が起こったとしても、一緒に録音されている自分の音声(ここには到底書けないような恐ろしい言葉の数々)が恥ずかしくて、とてもじゃないけど証拠提出できないなぁと思っています。