企業の人事担当者の方から、面接時に、応募者のメンタルの疾患について聞いてよいかという質問を受けることがあります。メンタルに問題がある人を採用した場合、他の従業員の業務遂行に大きな影響を及ぼしたり、休職の問題が発生することがあり、近年、このようなことに悩まされている企業が多いからと思います。

 メンタルに関する質問をするには、質問をすることに業務上の必要性があることが必要ですが、短期間のみ雇用する従業者を除き、長期雇用が前提とされる従業者には、必要性があると言ってよいでしょう。
 ただ、デリケートな問題ですので、なぜこのような質問が必要かを応募者によく説明する必要があります。たとえば、企業には従業者に対する安全配慮義務があり、その義務を尽くすために必要である、メンタルの疾患の状況によっては、ほかの従業員の労働環境に大きな支障を及ぼすなどです。
その上で、応募者の同意を得た上で質問をし、疾患の有無、現在の状態などを回答してもらいます。同意をしない場合は、そのこと自体を、採否の一つの要素にすることもやむを得ないでしょう。
また、他の応募がいる中でこのような質問をすることは避けるべきですし、さらに多数の応募者がいる1次面接で行うより、応募者が少なくなる2次面接(あるいは3次面接など)で行った方がよいでしょう。

より詳しく答えてほしい、嘘の回答をした場合は、入社後に解雇も含む懲戒処分にすることやむを得ないと考える場合は、回答用紙を作り、それに記入してもらうことも必要かと思います。もちろん、記入してもらうことについて同意を得ます。
 この回答用紙には、この情報は、面接官、人事担当者以外の者には公開しない、採否の判断の資料とする、虚偽を記載した場合は、解雇を含む懲戒処分にすることがあるなどのことを書いておき、現在持っているメンタルの疾患、過去3年内に持っていたメンタルの疾患、現在の状況、その他、必要と思われることを質問形式で書いておきます。
 ちなみに、メンタルの疾患について虚偽の記載をした場合、すぐに解雇できるというわけではなく、その疾患が職務遂行能力に障害を及ぼす程度のものであることが必要です。